ファンドアナリストが解説!楽天証券おすすめの欧州株式ファンド

現在、楽天証券ではユーロ圏を中心とした欧州地域の株式に投資するファンドを11本取り扱っている。欧州株式のファンドは運用実績が長いものが多く、運用目標となるベンチマークを定めているファンドが多いため、その実力や運用スタイルを見極めやすいといえよう。今回は競合ファンドと比べて良好な運用実績を残し、かつ異なる運用スタイルのファンドを3本紹介しよう。

ブラックロック欧州株式オープン

英国および欧州の大型株を中心に投資。特定の運用スタイルに縛られることなく、市場環境の変化に合わせた柔軟な運用を行うのが特徴で、規律ある企業調査と洗練されたリスク管理を融合させた運用プロセスは、精度、安定感とも高い評価を受けている。運用責任者は、モーニングスター社の「2013年欧州最優秀ファンド・マネジャー賞」を受賞。当ファンドも「リッパ-・ファンド・アワード・ジャパン2014(評価期間10年、欧州株部門)」の最優秀ファンドを受賞した。「大勝ではないが、平均点以上をコツコツ狙いたい」というアベレージ志向の投資家に向いているだろう。

フィデリティ・欧州中小型株・オープンBコース(為替ヘッジなし)※2014年4月25日取り扱い開始

英国および欧州の中小型株に分散投資するファンド。中小型株投資の魅力は、大型株を凌ぐ高い成長性にあるといえよう。当ファンドでも「高い成長力があり、その持続が長期的に可能と判断される企業」のなかで、その成長性に見合った株価水準の銘柄に投資している。運用の特徴は、バイ&ホールド(長期保有)を基本としながら、約100銘柄という多くの企業に分散投資することだ。運用実績は、過去5年、10年といった長期の成績で競合ファンドおよび運用目標のベンチマークを大きく上回っており、運用クオリティの評価は高い。モーニングスター社の「ファンド オブ ザ イヤー2013(国際株式型 部門)」の最優秀ファンド賞を受賞。「長期投資のスタンスで、大きな果実を獲りたい」というリスク志向の高い投資家に向いているだろう。

インベスコ 欧州エクイティファンド

英国および欧州の優良企業に分散投資しながら、市場インデックスに縛られない柔軟な運用を行う。「柔軟な運用」という意味ではブラックロックと似ているが、こちらのほうがややアクティブ色が強いようだ。足元、欧州債務危機への警戒感から割安に放置されていた景気に敏感なセクターや金融セクターの銘柄を厳選したことで、直近1年間のパフォーマンスは、欧州株式ファンドのなかで最も良好な実績をあげている。リスクを抑えた運用も特徴であり、競合ファンドと比べた価格変動リスク(値動きの大きさ)は小さい傾向にある。「投資魅力のある銘柄を買って、値上がりしたところで売る」という投資の王道派におすすめしたい。