筆者の「売り時」は25日移動平均線割れ、これが原則です。でも1つだけ例外があります。それが株価が短期間に急騰したときです。うれしいようで実は困ってしまう短期間の「株価急騰」の対応についてご紹介します。
売り時の基本は25日移動平均線だが…
先日のコラムにて、筆者の「売り時」は25日移動平均線を明確に割り込んだところである、とお話ししました。その理由は主に次の3つです。
- 上昇トレンドが続く限り利益を伸ばし続けることができる
- 株価の大きな下落を回避できる
- 売った株の買い直しのポイントが明確である
しかし、このルールに1つだけ例外があります。それは株価が「急騰」したときです。株価が短期間で大きく上昇したときは、上昇トレンドが続いていたとしても保有株の一部を売却することがあります。
もし売却した後さらに株価が上昇したとしても、高値掴みの危険があるため買い直しはできません。売った後株価が上昇するかもしれない、でもそれを覚悟の上で保有株を売る必要がある…嬉しいようで実は困ってしまうのが保有株の株価急騰というシチュエーションなのです。
株価急騰時に「25日移動平均線割れ」を待つとどうなるか?
なぜ株価が急騰したときには例外的に上昇トレンド継続中でも保有株を売却しているのか、実際に具体的な数値を用いてご説明します。
- 上昇スタート時の株価:2,000円
- 現在の株価:8,000円
- 現在の25日移動平均線:4,000円
この状況で、もし現在の株価である8,000円をピークに天井をつけ、その後急速に株価が下落したとします。
通常のルールである、「25日移動平均線割れで売却」に基づくと、現在の株価から50%も値下がりしたところで売却することになってしまいます。
せっかく8,000円まで株価が上昇したのに、その半分の4,000円になるまで売らない、というのは非常にもったいないです。
このような株価の動きはテーマ株だったり、何か突発的な好材料が発生して株価が短期間に急騰した場合によく起こり得ます。
あとから株価チャートをみると、「山」の形や「針」のような形になるケースで、短期間で株価が急騰するも、天井を付けた後は一転株価が急落する、というパターンです。
ですから、25日移動平均線割れを待って売却すると、利益の多くが得られない結果となってしまうのです。