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『オフィスビル空室率』や平均賃料は、オフィスビル仲介大手の三鬼商事が、毎月中旬頃に公表しています。2012年には9%台であった空室率は3%程度まで低下しました。ただ、3%程度と極めて良好な空室率にもかかわらず、平均賃料は緩やかな上昇にとどまっています。2018年以降は新築ビルの大量供給を控えており、今後の空室率と平均賃料の動向が注目されます。
【ポイント1】『オフィスビル空室率』は3.03%
非常に良好な水準
■12月7日に発表された三鬼商事の都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の11月の『オフィスビル空室率』は、前月比+0.01%と上昇したものの、3.03%と引き続き低水準となりました。空室率は、2012年6月の9.43%を直近のピークとして低下傾向にあります。過去15年間(2002年12月~2017年11月)の平均値6.05%と比べても非常に良好な水準にあります。
■11月は、新築ビル(竣工1年以内)で大型ビルの竣工はなく、成約も進み空室率が低下しましたが、既存ビルで大口の解約の影響があり空室率が上昇したため、全体では空室率は小幅ながら上昇しました。
【ポイント2】平均賃料は47カ月連続の上昇
既存ビルを中心に緩やかな上昇が続く
■11月の都心5区の平均賃料は前年同月比+3.18%、前月比+0.16%の19,064円(坪当たり)と、47カ月連続で上昇しました。
■新築ビル、既存ビルともに平均賃料は、前月比では上昇しました。前年同月比では、既存ビルは+3.27%、新築ビルは同▲3.49%となりました。新築ビルの平均賃料は、2017年4月に大幅に下落しましたが、その後は坪当たり27,000円前後で推移しています。
【今後の展開】当面は低水準の『オフィスビル空室率』が続く見込み
■東京のオフィスビル市場は、2017年内は新築ビルの供給は限定的であるため、当面は『オフィスビル空室率』は低水準で推移すると見込まれます。一方、2018年以降に大量供給される新築ビルの募集は順調なようですが、新築ビルへの移転に伴い既存ビルの空室率などに、新築ビル供給増の影響が出始めると見られます。ただし、景気回復と好調な企業業績を背景とした企業の根強いオフィスビルへの需要などが空室率の下支え要因になると考えられます。