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石油輸出国機構(OPEC)は、国際石油資本から石油産出国の利益を守ることを目的として、1960年9月に設立されました。加盟国は2017年12月現在で14カ国を数えます。その原油生産量は世界の33%程度を占め、原油の供給や価格形成といった面で依然、重要な役割を担っています。OPECの最高意思決定機関は、全加盟国が参加する総会です。直近の総会は11月30日に、ウィーンで開催されました。
【ポイント1】OPECは『協調減産』の期限を2018年末まで延長
OPEC非加盟10カ国も減産継続を決定
■2017年11月30日、OPECはウィーンで開催された総会で、原油価格の安定を維持するため、18年3月末に期限を迎える『協調減産』を9カ月延長することで合意しました。
■新しい期限は18年12月末となります。ロシアやバーレーン、ブルネイ、マレーシア、カザフスタンなどOPEC非加盟の10カ国も同調し、18年末までの減産延長を決定しました。
【ポイント2】OPECは減産合意をほぼ遵守
非加盟国もOPECに協調
■OPEC月報17年11月号によれば、10月のOPEC原油生産量は日量3,259万バレルでした。16年11月の臨時総会で合意に達した生産枠である同3,250万バレルとほぼ同じ水準です。
■『協調減産』の遵守状況を点検するために設置された「OPECおよび非OPEC合同監視委員会」によると、減産の遵守率は17年9月時点で120%となりました。協調減産の合意以降で最高水準です。
■過去においては減産合意が十分に守られないことも多くありましたが、今回はこれまでのところ遵守されているようです。
【今後の展開】原油価格は底堅い展開へ
■OPEC総会が開催された11月30日の原油価格は、『協調減産』の期間延長の報を受け、一時上昇しましたが、その後は利食い売が入り、原油価格の主要な指標であるWTIで見て1バレル当たり57.4ドル、前日比ほぼ横ばいとなりました。
■国際エネルギー機関やOPECによる18年の世界原油需給予測によれば、OPECの減産が維持される限り、需給の改善が進む見通しです。原油価格は堅調な推移が予想されますが、価格の上昇とともにシェールオイルの増産も見込まれるため、上値は限られると考えられます。