日銀の9月金融政策決定会合は現状維持、次回利上げは12月
一方の日銀ですが、9月19~20日に開催されるMPMでは、市場の見通しと同様、現状維持が決定されるとみています。7月に追加利上げを実施したばかりであることや、その後不安定化した金融市場の動向を当面は見極めたいとの姿勢を示していることがその背景です。
ただし、8月以降の政策委員の発言を見ると(図表6)、「展望レポート」で示された見通しが実現していくとすれば、引き続き金融緩和度合いを調整していく(利上げする)という基本姿勢に変化はなく、経済指標、なかでも賃金指標が強含んでいることなどから、年内にもう一度利上げが実施される可能性が高いとみています。
図表6 8月以降の日銀政策委員の講演での発言
タイミングは、FRBの利下げ転換とその影響、自民党総裁選とその後の政治日程、米大統領選の結果などを見極めた後の12月MPM(18~19日)と考えるのが自然でしょう。
既往の円安や賃金上昇の物価への転嫁状況を、12月短観(12月13日発表)や1月支店長会議に向けた企業ヒアリングで確認でき、「展望レポート」の出るタイミング(1月、4月、7月、10月)とずらすことで、「展望レポート」のたびに無用の思惑が出るのを防ぐ効果もあります。
気になるのは、「一般会計歳入歳出概算」の閣議決定のタイミングと重なること。政治日程や金融市場の落ち着きいかんでは、10月MPM(30~31日)の可能性もゼロではないとみています。