強すぎる米雇用、FRBの引き締め長期化の懸念
世界景気が温まってきたことは、日本株・米国株に取って強材料です。一方、米景気が強すぎると、FRB(米連邦準備制度理事会)による引き締めが長期化するリスクが高まります。
先週2月1日(水)、FRBは0.25%の利上げを実施して、FF金利の誘導目標を4.50%から4.75%まで引き上げました。米国の長期(10年)金利(3.5%)と比べて、長短金利の逆ザヤが1%以上に拡大しています。
にもかかわらず、パウエルFRB議長は、さらに利上げをあと2回続けると示唆しています。利上げはあと1回だけで、今年後半には利下げもあり得ると期待している株式市場と明確に温度差があります。
そうした中、2月3日(金)に発表された1月の米雇用統計は強すぎて、引き締めが長期化するリスクを意識させるものでした。
非農業者部門の雇用者増加数は前月比51.7万人と大幅増でした。完全失業率は0.1ポイント低下して3.4%となり、コロナ前よりも低い水準となりました。強すぎる雇用が、インフレ・利上げに与える影響を今後注視する必要があります。
米雇用統計:非農業部門の雇用者増加数(前月比):2019年1月~2023年1月
米雇用統計:完全失業率:2014年1月~2023年1月
日本株の投資判断
日本株の投資判断は変わりません。日本株は割安で長期的に良い買い場を迎えていると考えています。世界景気が少し温まってきたことを受け、上値への期待が少しずつ高まってきています。
一方、米利上げが続くことによる、短期的なショック安はまだ続く可能性もあります。時間分散しながら割安な日本株を少しずつ買い増ししていくことが長期的な資産形成に寄与すると考えています。
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