4月10日
中国製ハイエンド設備、「一帯一路」戦略を通じてグローバル化へ

BOCIはアジアインフラ投資銀行(AIIB)を活用した中国の対外発展戦略「一帯一路」の進展により、この先、世界経済の構図が西欧/北米主導型からアジア/欧州主導型にシフトすると予想。「一帯一路」の驚異的なポテンシャルを指摘した上で、A株市場の鉄道設備、原発設備、軍需・防衛、建設機械、エレベーター/エスカレーターなど各セクターに対し強気見通しを示した。個別では中国南車(601766)、中国北車(601299)、康尼機電(603111)、永貴電器(300351)、中航直昇機(600038)、中国船舶重工(601989)、丹甫股フン(002366)太原重工(600169)、三一重工(600031)、中聯重科(000157)、徐工機械(000425)、江南嘉捷電梯(601313)、康力電梯(002367)などを選好した。

AIIBにはすでに英国、フランス、ドイツなど40カ国以上が参加の意向を示した。一方、「一帯一路」戦略はアジアから欧州に至る40カ国以上をカバーするシルクロード経済圏構想であり、域内の経済、貿易、文化的交流の強化が主眼。域内人口は44億人(世界全体の63%に相当)、経済規模は21兆米ドル(同29%に相当)に上るという。BOCIはユーラシア大陸全体にとどまらず、アフリカをも巻き込む可能性を指摘。世界経済の構図が中国主導で変わり、西欧/北米主導からアジア/欧州主導にシフトするとみている。

BOCIは「一帯一路」戦略という投資テーマが再燃するとみて、鉄道設備、原発設備をはじめとする関連各セクターを有望視している。うち鉄道設備に関しては、海外鉄道建設プロジェクトへの中国勢の参加が拡大すると予想。関連銘柄のバリュエーションがさらに上向くとみている。また、設備の現地生産化に伴い、この分野では独立系サプライヤーが台頭していると指摘し、個別では車両大手の中国南車、中国北車のほか、晋西車軸(600495)、永貴電器などを推奨している。

一方、原発設備に関してはまず、中国沿海地域における原発開発プロジェクトの認可審査の再開見通しが追い風。さらに内陸部プロジェクトの再開や輸出の拡大がこの先のサプライズにつながる可能性がある。中国で開発された原発技術の輸出先は段階的に、パキスタン、英国、アルゼンチン、南アフリなどに広がりつつあり、この分野では四川丹甫制冷圧縮機(002366)、安徽應流機電(603308)などが有力という。このほか、「一帯一路」戦略が進めば、中国の海外資産を保護する必要が高まるとして、BOCIは軍需・防衛部門を有望視。有力銘柄として中航直昇機、中国船舶重工をピックアップしている。

また、「一帯一路」に伴うインフラ輸出の拡大は海外市場での建設機械需要の伸びに直結するとみられ、この分野では三一重工、中聯重科など、国有企業改革によるプラス効果が期待できる大手が有利。エレベーター/エスカレーター部門にとっても「一帯一路」は追い風であり、BOCIは江南嘉捷電梯、康力電梯のほか、広日股フン(600894)、上海機電(600835)などを有望視している。