3月24日
中小都市部や中小企業の需要増が追い風、クラシファイドも成長持続へ

BOCIはモバイルインターネットの急速な普及や、中小都市部、中小企業、地元密着型ライフスタイルO2O(オンラインとオフラインの連携)市場における需要増が、引き続き中国のオンライン求人/求職市場の成長を後押しすると見ている。大手求人サイトは信頼度の高いプラットフォームや膨大な顧客基盤を武器に安定成長を維持する見込み。一方、ニッチプレイヤーも相次いで現われ、持続可能な利益モデルを探ることになる。BOCIはまた、オンラインクラシファイド(個人による募集広告)市場も、地元型ライフスタイルサービスや積極的なO2Oビジネスモデルの導入を背景に急成長を続けるとの見方。この分野のトップピック銘柄として、ニューヨーク証券取引所に上場している58同城(58.com)、Zhaopinを挙げている。58.comはオンラインクラシファイドとブルーカラーの求人求職プラットフォーム運営で国内最大手クラス。Zhaopinは中級/ハイエンドの人材採用プラットフォームの大手となっている。

中国では政策的な追い風や構造的な需給ミスマッチが、特にサービス業におけるオンライン求人/求職需要の伸びを後押しする見込み。内閣に当たる国務院は先ごろ、サービス業界の統廃合や高付加価値化を支援する方針を明らかにした。また、中国の雇用市場は人材のひっ迫感が強い売り手市場。大手かニッチ事業者かを問わず、地理的あるいは業種、能力面でのミスマッチがビジネス機会を創出している。

携帯端末からネットに接続するモバイルインターネット利用者の伸びも、オンライン求人市場の追い風。中国の大都市部ではネット普及率が約70%に上り、うち8割をモバイルネット利用者が占め、求人求職効率はすでに改善しているが、BOCIはモバイルネット利用の頻度の拡大がデジタル求職市場の革新につながる可能性を指摘している。

また、中小都市部や中小企業の需要増もプラス。中国政府による都市化政策を受け、中小都市部のオンライン求職需要の伸びは大都市部を上回る可能性がある。このほか、中小企業やブルーカラー層の求人/求職需要も追い風になる見通しという。

一方、中国ではスマートフォンの急速な普及や電子商取引需要の拡大、従来型企業のビジネスモデル改革などがライフスタイルO2O市場の拡大を支えている。地元密着型ライフスタイル業の台頭で、オンラインクラシファイド市場の先行きも明るい。様々な分野に係わるクラシファイドは膨大な顧客基盤やトラフィックを引き寄せている。

垂直型の求人プラットフォームや専門職ソーシャルネットワークは引き続き、収益モデルを模索している。現在のビジネスモデルは雇用者側への課金が主体。垂直型事業者は今も、ニッチ市場における顧客誘致の初期段階にある。また、専門職ソーシャルネットワークも求職者への課金という課題に直面しており、専門職の意識改革にはある程度時間がかかる見通しとなっている。