1月28日
パキスタンからの原発設備受注に期待、太陽光発電の15年導入目標は15GWに

メディア報道によると、中国はこのほどパキスタンとの間で、原子力発電所を含む340億米ドル規模の投資契約を締結した。投資対象となる原発はカラチ沿海1号および2号で、開発コストは契約全体の28%に相当する95億米ドルとなる見込み。世界原子力協会によれば、中国は原発開発においてパキスタンと長期の協力関係にあり、すでに3つの原発が稼働中。ほかに建設中の3カ所を含め、すべて中国核工業集団公司(CNNC)が手掛けているという。

BOCIは発電設備メーカー2社、東方電機股フン有限公司(01072)、上海電気集団(02727)を対象にリサーチを行ったが、それによれば、うち上海電気集団がカラチ沿海1号から2億8000万元分の設備を受注済み。この金額は同社の原発受注残高の10%に相当する。一方、東方電機に関しては海外受注残の中に原発設備は含まれていないことが分かったという。今回の投資契約を受け、BOCIは国内設備メーカーがカラチ沿海2号から少なくとも88億元を受注すると予想し、この金額が東方電機および上海電気集団の原発受注残の12%、16%に相当すると指摘。両銘柄への期待材料になるとみている。

一方、太陽光発電セクターに目を向けると、関連部品・コンポーネントは引き続き下落トレンドを示している。PVインサイツによると、先週も各製品が軒並み調整し、ポリシリコン(多結晶シリコン)、ウエハー、太陽電池、モジュールの価格がそれぞれ19.11米ドル/kg、0.21米ドル/W、0.32米ドル/W、0. 61米ドル/W。前週比で0.2%、0.4%、0.2%、0.2%下げた。中国は太陽光発電の2015年の導入目標を前年より高く設定したが、BOCIは海外需要の下押しを予想。15年上期も世界的に需要委縮が続くとみている。 中国の国家エネルギー局は15年の太陽光発電の新規導入目標を前年比7%増の15GWとする方針を発表した。内訳は大型ソーラーファームが前年比32%増の8GW、分散型(需要地に隣接する小規模設備)が同13%減の7GW。BOCIはうち分散型について、政府当局が14年の野心的な目標(8GW)を放棄した点に目を向けている。14年には導入目標の43%が大型施設、57%が分散型だったが、15年にはこの割合が53%、47%に変化した。一方、地域別に見た場合、北西部で新規導入目標が引き上げられ、南東部では逆に引き下げられたという。 分散型の導入目標は14年の8GWから7GWに後退したが、それでも15年の目標は分散型市場がほぼ倍増することを意味する。14年に実際に設置された分散型発電設備が3-4GWにとどまるため(全体では10GW)。BOCIは15年の目標値をより現実的と受け止め、分散型の導入促進に向けた政策支援が続くとみている。個別銘柄では中国興業太陽能技術(00750)の株価の先行きに対して強気の見方。ソーラーファーム、分散型の両市場で、EPC(設計・調達・建設)最大手としての優位が続く見通しを示している。