12月12日
深センの3社施設を視察、ロジスティクス銘柄の先行きを楽観

BOCIは12月10日、深センへのロジスティクス視察ツアーを実施し、深セン国際控股(シェンチェン・インターナショナル・ホールディングス:00152)、華南城(チャイナ・サウス・シティ:01668)、中国国際コンテナ(チャイナ・インターナショナル・マリンコンテナ:02039)の物流施設などを訪問。その結果、ロジスティクス・セクターに対する強気見通しを改めて確認した。深セン国際控股と華南城はロジスティクス事業の野心的な拡大戦略を準備しているとし、うち深セン国際控股をトップピックとしている。

深セン国際控股が手掛けるサウス・チャイナ・ロジスティクス・パーク(華南物流園:SCLP)では最近、4Sストア(販売、サービスなどを一貫して扱う自動車販売店)が開業し、クリスマス前までにはアウトレットモールがオープンする予定。これにより、SCLPの入居率は100%となった。4Sストアとモールの営業面積はそれぞれ約13万平方メートルで、月間賃料は1平米当たり40-50元。年間の賃料収入は推定1億4000万元となる。

SCLPの延べ床面積は約61万1000平米で、うち約53万平米分が開発済み(32万平米は倉庫スペース)。8万3000平米の未開発エリアでは今後、再区分プロセスが加速する見通しという。BOCIによると、前回8月の訪問時に比べ、周辺エリアでマンション開発が進み始めたが、分譲相場は1平米当たり2万7000-4万元。仮にSCLP全体の価格を床面積1平米当たり1万8000元とし、容積率を現在の0.65倍から4倍に引き上げた場合、仮想の売却益は148億HKドルと、同社の時価総額(現在221億HKドル)にかなり迫る数字になるという。

一方、華南城では電子商取引およびロジスティクスの情報交換プラットフォームと位置づけている「深センCSCトレードセンター」を訪れた。同社は現在、トレードセンター8カ所を開発中で、今後も毎年1-2カ所を増設する計画。中期的に15カ所の設置を目指す。プロジェクト1件の完成には通常10-15年を要するが、河南省鄭州のプロジェクトは旺盛な需要を背景に、3-4年で完成する見通し。BOCIは契約ベースで設備投資を進める同社の財務面の安定感を指摘。株価の先行きに強気見通しを維持している。 残る1社の中国国際コンテナはドライコンテナ製造の世界最大手であり、ほかに輸送機器やロジスティクス、海洋工事、エネルギー化学設備などの非中核事業を手掛ける。コンテナ需要はさほど旺盛とも言えず、現時点では生産ライン3本のうち2本だけが稼働中。深セン市龍崗区のコンテナ生産工場を15年にも広東省東莞市に移転させる計画だが、今のところ跡地の再区分などに関する詳細は未公表。BOCIは中国国際コンテナの株価の先行きにも強気の見方。ロジスティクス関連銘柄ではこのほか、ケリー・ロジスティクス(00636)、シノトランス(00598)に対しても強気見通しを明らかにしている。