新年度入りとなった4月の日経平均は下げ幅を広げるスタートとなりました。1カ月近くもみ合いが続いていた膠着感から下の方向へ「ブレイク」したような格好です。4月7日(木)の終値は15,749円でした。

(図1)日経平均(日足)の動き(2016年4月7日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

改めて上の図1で足元の状況を確認してみます。日経平均の動きは月を跨いで7営業日連続で下落し、7日(木)にようやく8営業日ぶりの反発となりました。また、7日続落はいわゆる「アベノミクス相場」が始まって初ですが、とりわけ4月に入ってからの下げ幅が大きい印象です。下げのピッチが加速したのは、以前のレポートで紹介した、「売り仕掛け」のポイントにハマったと思われます。

(図2)日経平均(日足)の動きと売り仕掛けのポイント

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

上の図2は、下落トレンド発生中における一般的な売り仕掛けのタイミングを描いたものです。具体的には、戻り高値の更新が鈍くなった時に、直近下げ止まった箇所を起点にしたトレンドラインを描き、このトレンドラインを下抜けたところで売り仕掛けを行います。

足元でも、3月下旬の上値が重たくなったところでトレンドラインが描かれ、先週あたりから下抜ける場面が見られ始めました。本来であれば売り仕掛けのタイミングでしたが、上向きだった25日移動平均線がサポートとして意識されて当初は下げ足が早まりませんでした。ところが、3月31日の終値が25日移動平均線を下回ってしまったことで、翌4月1日に売り仕掛けが入ったような動きになっています。そして、6日〜7日にかけて迷いを示す「十字足」が2本続けて出現しており、今後の展開は、①この十字線の水準で下げ止まる、②下落するも2月安値水準で下げ止まって二番底を形成、③2月安値を下抜けでさらに安値を探る、の3つが想定できそうです。

(図3)日経平均(日足)の動きと、今後の想定シナリオ

(出所:MARKETSPEEDを元に筆者作成)

①の場合は保ち合い相場の範囲内の動きとなるので、このままもみ合いが続きそうです。②の場合は改めて底打ちが確認できますので、これまでよりも戻りを試しやすくなりそうです。この場合、ネックラインが17,000円水準となります。③の場合は下落トレンド継続となり、日経平均はボリンジャーバンドの-2σに向かって行くことになります。そして-2σから-1σに戻るところが売りの利益確定の目安として意識されそうです。