6月16日 A株「中立」
ディフェンシブかつアグレッシブな投資選択肢、A株白酒銘柄などを有力視

伝統的にディフェンシブ性が高い食品・飲料セクターに対する注目度が高まっている。ディフェンシブであると同時に、アグレッシブな投資選択肢と目されていることが背景。中でも最も力強い伸びを示しているのは飲料部門の白酒(パイチュー)で、今年1-5月には生産量が大きく増加。今後も伸びが続くとみられている。中級・高級白酒は消費のアップグレードによる恩恵が最も大きい品目の一つであり、ハイエンド製品の好調や製品価格の調整が市場全体の販売量の落ち込みを相殺する見通しという。白酒メーカーの販売収入は健全な伸びを維持し、閑散期の売れ行きも予想外に好調。BOCIは予想を上回る販売増がこの先、関連銘柄の株価押し上げ要因になるとみている。また、個別では安定的かつ高い成長を示している銘柄、バリュエーション面から下値余地が限られ、かつディフェンシブ性の高い銘柄などを選好している。

白酒の生産量は1-5月に前年同期比30.42%増加し、1-4月比で伸び率が加速した。また、食品・飲料業界の有望品目の一つ、ワインの生産量も相対的に大幅な伸びを維持し、1-5月に同16.58%増。1-4月比ではやや減速傾向を示した。

ビール生産量は1-5月に11.33%増。5月には引き続き前月比の生産量の伸びが加速した。主に緩やかな生産能力の増加や前年の業界統合トレンドが背景。業界統合の加速や大手主導の設備増強を受け、今後も生産量の伸びが続くとみられている。

一方、乳製品の1-5月の生産量は同12.08%増。2月から5月まで、前月比での生産量の伸びが続いた。一部乳製品メーカーを対象とした事業免許更新のタイミングに当たったため、大手各社の設備稼働率は4月初めから上昇傾向を示している。BOCIはこの先も、大手の生産量の伸びが業界平均を上回る傾向が続くとみている。

BOCIはA株上場銘柄の中で、引き続き白酒銘柄の宜賓五糧液(000858)、貴州茅台酒(600519)、瀘州老窖(000568)を選好している。

乳製品については業界統廃合や原料乳コストの落ち着きを背景に大手メーカーの収益性の改善を予測。中長期視点から、内蒙古伊利実業集団(600887)に対して強気見通しを示した。

このほか、煙台張裕葡萄釀酒(000869)のハイエンド醸造酒の販売は1-3月に前年同期比35%以上増加した。BOCIは上期に同30%以上の伸びを予想し、同社が今後も製品構成の最適化を継続するとみている。また、年産能力を1万トン規模に引き上げる同社の計画に触れ、現時点では長期成長局面の初期段階にあると指摘している。