6月20日 「オーバーウエート」
5月の業務統計:チャイナ・テレコムの3G契約が好調、純増数のシェアを拡大

通信キャリア3社の5月の業務統計が出そろった。第3世代携帯電話(3G)加入者純増数は合計で前月比9%増の620万件。中でもチャイナ・テレコム(00728)は前月比25%増の183万件を記録し、チャイナ・ユニコム(00762)の173万8000件(同4%減)を上回った。一方、最大手のチャイナ・モバイル(00941)の純増数は同9.5%増の261万6000件。3社の5月の3G純増シェアはモバイルが42.3%(前月比0.2ポイント増)、テレコムが29.6%(同3.7ポイント増)、ユニコムが28.1%(同3.9ポイント減)だった。

2Gを含めた5月の加入者総純増数は合計で前月比6.5%減の994万4000件。内訳はモバイルが同5.4%減の502万件、ユニコムが同6.1%減の232万4000件、テレコムが8.8%減の260万件。純増シェアはモバイルが50.5%を占め、ユニコムが23.4%、テレコムが26.1%だった。

テレコムの5月の3G加入者純増数は同社全体の純増数の70%を占め、3月の42%、4月の52%を大幅に上回った。EV-DO方式の低価格スマートフォン投入で3G契約が拡大したとみられる。11年1-3月期の全体のARPU(加入者1人当たりの月間収入)が50元なのに対し、3G加入者のARPUは80元程度と試算され、3G契約の増加が7-9月期以降のARPU上昇につながるとみられる。さらに、iPhone販売に向け米アップルとの契約締結といったポジティブなニュースが今後テレコムの株価を押し上げる可能性があるとBOCIはみて、同社をトップピックとして推奨している。

一方、ユニコムの1-5月の3G加入者純増数は738万件。通年目標の2500万件を達成するには今後毎月250万件以上の加入者純増が必要となる。1-5月の月間平均純増数171万件を70%上回る契約を獲得するには、低価格のスマートフォンの投入と積極的なプロモーションが求められる。BOCIはユニコムの株価見通しに対して慎重な見方を継続。市場は3Gサービス主導による収益の回復を期待しているが、BOCIはこれを非現実的とみている。

チャイナ・モバイルについては利益の伸び悩みが見込まれるものの、配当利回りと過去の実績により、不安定な市場における安定銘柄として人気が高まるとBOCIは判断。強気の株価見通しを維持している。