4月20日
発電用炭価格が前週比上昇、3月の石炭輸出は2年ぶり高水準に
中国の主要石炭積み出し港・秦皇島では先週、山西産の高品位炭価格が前週比0.6%上昇し、在庫は7週連続で縮小した。発電用炭需要は旺盛で、今後さらに拡大する見込み。ただ、BOCIは発電会社側の収益性悪化が一段の上値余地を抑えるとみている。一方、コークス炭価格は先週、前週比横ばい推移し、コークス価格は引き続き調整した。BOCIは香港上場のカバー銘柄の中で、引き続きエン州煤業(01171)をトップピックとしている。
キーポイント
- 山西産高品位炭のスポット価格は4月18日時点で前週比0.6%高の1トン当たり790元に達した。大同南部郊外産の発電用炭価格は同1.0%高の515元。BOCIによると、◇港湾レベルの在庫が低下した◇一部の省で実施された電力卸売料金の値上げで電力会社の収益性がある程度改善された――ことなどが先週の価格上昇要因となった。
- また、国際石炭相場が相対的に高水準にあることも、国内相場の支援材料となっているもよう。ただ、BOCIは電力会社の収益性が発電用炭の価格動向を左右する見通しを示し、国内の電力会社の60%が現在、赤字に陥っていることに言及した。一部の省では4月10日に電力卸売料金が1キロワット時当たり約0.01元引き上げられ、秦皇島の発電用炭価格、大同の発電用炭坑口価格はそれぞれ1トン当たり約5元値上がりしたが、BOCIは発電用炭価格がさらに2-3%上向いた場合、電気料金の値上げ効果が打ち消されると予想。電気料金の追加値上げが実施されない限り、向こう数カ月間にわたって発電用炭価格の上値余地も限られるとみている。
- 秦皇島における18日時点の在庫量は前週比8%減の590万トンと、これで7週連続で下向いた。発電用炭需要の閑散期に当たるにもかかわらず、在庫レベルが急速に低下している理由として、BOCIは◇大秦鉄道(大同-秦皇島)鉄道の大型保守点検が北方港湾への石炭供給の障害となった◇国際石炭相場の値上がりを受けて国内の石炭輸入が減少し、南方沿岸地域の発電所が北方から石炭を調達する必要が生じた――の2点を指摘している。
- 臨汾(山西省)産の2等級コークス価格は先週、前週比1.7%調整した。一方、主要都市部における鋼材価格は同0.8%高となり、在庫は同2.5%減の1647万トンだった。鋼材需要が伸び悩む中、BOCIはコークス炭相場の短期的な値上がりには期待しにくいとみている。
- 中国の石炭輸入量は3月に、前年同月比41%減、前月比で34%増となる905万トンだった。一方、原炭輸出量は前年同月比15%増、前月比47%増の259万トンと、2009年1月以来の高水準に達した。