3月14日 A株「中立」
融資引き締めにより不動産資金の流動性が低下、新規プロジェクトが減少
中国国家統計局(NBS)のデータによると、2011年1-2月の住宅物件取引面積および取引件数が前年同期比で比較的大幅に減少した。政府の不動産引き締め策強化が影響している。開発業者の投資額と建設中の物件面積の増加率は前年同期を上回る傾向を維持したものの、新規プロジェクトの数は減少。資金の流動性への不安から開発業者が新規物件を慎重に選んでいる状況が表れた。物件価格には依然として大きな調整はみられないものの、BOCIは不動産セクターについて引き続き、商工業物件を開発する企業やリース物件を主に扱う銘柄を推奨している。
ポイント
- 11年1-2月の不動産開発業者の投資額および建設中の物件面積の前年同期比伸び率は、それぞれ35.2%増、39.0%増と引き続き高水準を示した。しかしながら新規の着工物件の面積は前年同期を27.9%下回り、資金流動性への圧力を背景に開発業者が物件を慎重に選択している状況を反映した。
- 11年1-2月の住宅物件販売面積は前年同期を下回ったが、物件価格は高水準を維持して年初に過去最高値をつけた。ただ、不動産購入制限措置の強化を受け、今後は物件販売量の減速と共に、価格も下向くとみられる。
- 頭金と手付金を除く不動産資金調達額は11年1-2月に前年同期を下回った。国内貸出残高および住宅ローン残高の伸び(累積)は引き続き減少傾向にあり、住宅ローンに関しては減少に転じた。信用引き締め策の影響で銀行が個人向け住宅ローンに消極的となり、開発業者にとっては資金調達に対する大きな圧力となっている。
リスク要因
- 政府不動産抑制策の予想以上の影響。
推奨銘柄
- 引き続き商工業物件開発銘柄およびリース物件を扱う銘柄を推奨。個別では上海世茂(600823)、広東海印集団(000861)、中国国際貿易中心(600007)、上海金橋出口加工区(600639)などを選好している。