3月2日
国内の通信サービス収入伸び率、今年1月に3年ぶり高水準を達成

中国工業・情報化部の最新統計によると、国内の通信サービス総収入は今年1月に前年同月比9.7%の伸びを示した。これは2008年以来ほぼ3年ぶりとなる高い伸び率。BOCIは第3世代(3G)をけん引役とする携帯電話収入の伸びと固定通信収入の下げ止まりを前向きに評価。この2つの傾向が業界全体の収入増につながる見通しを示した。また、この統計にはいくつかのサプライズがあったとし、以下の点を指摘している。

  • 【1】通信サービス総収入は昨年、月平均で前年比6.7%の伸びを示したが、昨年12月(同9.0%増)、今月1月(同9.7%増)には2カ月連続で大幅な加速傾向を示した。
  • 【2】うち携帯電話サービス部門の収入は新規加入者数の加速や安定したARPU(加入者1人当たり月額収入)を受け、1月に前年同月比13.9%増加した。携帯電話加入者の純増数は1月に前月比23%増の1072万人。全体のARPUは前年同月並みの58元に踏みとどまり、初めて底入れの兆しをみせた。2Gから3Gへの乗り換えがARPUの下げ止まりに寄与した。
  • 【3】長くマイナス成長が続いていた固定通信サービス部門の収入が、1月にはプラス成長に転じた。BOCIはこれが一時的な現象ではなく、流れが変わったとの見方。固定通信収入の減少の主因となってきたPAS(PHSに相当)の通話量は昨年、前年比49%急減し、音声通話量全体に占めるPASの割合はすでに13.6%まで低下した。また、ブロードバンド加入者純増数は1月に前月比19%増となる173万人。これにより、ブロードバンド利用者総数が1億2800万人に達し、固定通信収入のプラス成長をけん引した。
  • 【4】携帯電話の音声通話量は1月に前年同月比16.7%増と、同収入伸び率(同13.9%)との格差が縮小傾向を示した。1分当たり収入の減少幅は3%となり、料金の下落傾向に歯止めがかかったもよう。データ収入の拡大を受けて音声部門の競争環境が緩やかになり、料金下落幅が縮小に向かったとみられている。
  • 【5】1月には2G携帯電話収入の伸びが減速した。2Gの非音声業務を代表するSMS(ショートメッセージサービス)利用の伸び率が、1月に前月比3.9%まで減速したことが響いたもよう。料金下落を背景に2G非音声収入の伸びは続く見通しだが、極めて緩やかな増加ペースにとどまる可能性が高い――。

このほか、1月には3G加入者純増数が前月比12%増の470万人に達し、携帯電話の加入者純増数全体の43%を占めた。BOCIは2Gのハイエンドユーザーによる3Gへの乗り換えが大半を占めるとみており、この点でチャイナ・テレコム(00728)およびチャイナ・ユニコム(00762)に有利との見方。ハイエンド2G市場で独占的な地位にあるチャイナ・モバイル(00941)に対してはマイナス影響を予想している。