1月28日 H株「オーバーウエート」、A株「オーバーウエート」
原油相場の短期的なピークを予想、国内石油製品価格は4月に再び値上げか
国際原油相場は昨年9月末から23%高騰したが、BOCIは相場押し上げ要因の一部が向こう2-3週間後に消えるとみて、原油相場がほぼ短期的なピーク水準に達したと指摘している。石油セクターの個別銘柄に対しては、おおむね株価の先行きに強気見通しを継続しているものの、向こう数週間で流れが変わる可能性に言及。投資家に対し、石油セクターの川下銘柄への乗り換えが選択肢の一つになるとしている。
ICEブレント原油は10月初めに1バレル=80米ドルの大台を突破し、12月には同90米ドルまで上昇した。現時点では100米ドル弱と、金融危機以来の高値水準に達している。原油相場を押し上げたのは、米国の追加量的緩和第2弾(QE2)や世界需要への強気見通し、北半球における今冬の厳しい寒さなど。最近では一部のアラブ諸国の政情不安が供給不安を招く要因だ。ただ、QE2は今年6月に終わり、QE2に対する内外の批判が続く中で、第3弾(QE3)は不透明な状況。BOCIはこうした要因を指摘し、原油相場がほぼ短期的なピーク水準に達した、あるいは近く達する可能性が高いとみている。
10-12月期の高騰を受け、ブレント原油の昨年の平均価格は同80.2米ドルと、BOCI予想の79.2米ドルを上回った。BOCIはこれに伴い、2011年、12年の予想平均価格をいずれも94米ドルに上方修正(修正前想定値は11年が84.9米ドル、12年が87.3米ドル)。同時、原油価格に関する長期見通しも90米ドルから94米ドルに上方修正した。
一方、中国国内では、政府当局が昨年12月22日に石油製品値上げを実施し、ガソリン、軽油価格をそれぞれ1トン当たり310元、300元の幅で引き上げた。インフレ抑制策が最重要課題となる中、中国政府は「原油相場連動型の石油製品価格決定メカニズム」をほぼ規定どおり履行している。BOCIは原油相場が現行レベルで高止まりした場合、政府が再び石油製品値上げに動く可能性を指摘しながらも、3月初めの重要政治会議(全人代および政協会議)が終わるまでは値上げを見送るとの見方。4月初めに1トン当たり200元の引き上げを実施すると予想している。
人民元の対米ドル相場は現在1米ドル=6.582元の水準にあるが、BOCIのエコノミストは年末までに同6.22元まで元高が進むと予測している。米ドル建てで原油を調達し、人民元建てで製品を販売している国内の石油精製会社にとっては、人民元高がコスト増大圧力の軽減につながる見込み。BOCIは自社の原油想定値と石油製品の値上げ見通しに基づき、石油精製銘柄の収益性はかなり良好との見方を示している。
中国政府は昨年6月、新疆ウイグル自治区で原油・ガスを課税対象とする資源税改革を先行実施し、11月にはさらに11省・自治区に対象を広げたが、これはBOCIの予想より約2カ月遅いタイミング。これに伴い、BOCIは全国規模での実施が当初予想の今年初めより先送りされ、6月ごろとなる可能性を指摘している。