1月11日 A株「中立」
取引面積、価格ともに前週を下回る展開、新規供給物件の不足が影響

BOCIが調査対象としている中国主要17都市の不動産セクターの先週の動向は、取引面積が前週を大幅に下回る結果となった。1-3級都市すべてで前週比減となり、BOCIの住宅価格インデックスも下落。新規物件が不十分な状態を反映して価格調整と販売物件数の減少が生じ、一部不動産銘柄が値を下げた。政策面の動きでは、鄭州が新たに住宅購入に関する規制を導入したほか、重慶市当局が高級物件への課税方針を正式に認めた。BOCIは同セクターについて、引き続き2011年第1四半期の株価下落時を買い時と判断している。

レーティングの要因

市場動向
17都市における先週の物件取引面積は前週比28.8%減の311万5000平方メートル。湖南省長沙および広東省深センが減少を主導した。平均取引価格指数は微減。広州と深センが最も値を下げた。
政策動向
1)昨年の国有地売却収入は前年比70%増の2兆7000億元。
2)国土資源部が四川省成都の土地競売に対して停止を命じた。
3)重慶市が高級物件への課税実施方針を認める。
4)北京市がセカンドホーム購入準備基金制度の基準を緩和。
5)上海が公営賃貸住宅の建設を推進。
6)河南省鄭州で地域ごとに異なる住宅購入規制を導入。
7)広州市が10年以内に138のアーバンビレッジの改築を行う方針。
企業動向
1)万科企業(000002)などが12月の販売実績を発表。
2)嘉凱城(000918)、金地(集団)(600383)、万科企業が保有する開発用地の最新情報を発表。
3)新湖中宝(600208)が浙江省温州に11億1000万元を投資。
4)北京首都開発(600376)の株式制限が解除された。予想を上回る業績に期待。
5)世茂(600823)が5億元の商用物件開発の開発に向けて信託基金を設立。

レーティングとバリュエーション

昨年1年間の調整を経て、不動産セクターのバリュエーションはすでに底を打ったとみられる。政府の度重なる規制策によりバリュエーションによる上値は期待できないが、ブランド力や販売力のあるデベロッパーは業績が株価を押し上げる可能性が高い。個別銘柄では、業界大手の万科企業、保利房地産(600048)、金地を選好。地方開発業者では北京首都開発、杭州濱江房産集団(002244)、蘇寧環球(000718)、栄盛房地産発展(002146)、湖北福星科技(000926)を有望視している。