1月4日
需要停滞で鋼材在庫が増加、中長期的な上値を期待

鋼材スポット価格は2010年最終週、引き続き狭い範囲で揺れ動く展開となった。鉄筋および線材がそれぞれ前週比0.4%値を下げた。鋼板類は、熱延・冷延鋼板が同0.1%高、厚中板が0.1%安となり、条鋼類をわずかにアウトパフォームする展開となった。唐山港の鉄鉱石価格は0.7%高、コークス価格は横ばい。

消費量に基づく鋼材在庫は1.4%増と上向きを維持。条鋼類は3.2%増に達した。鋼板類の在庫は0.2%増。

江蘇沙鋼集団が2011年1月の工場渡し価格を発表した。鉄筋と線材の価格を据え置く一方、熱延鋼板は1トン当たり250元(約6%)、厚板は同200元(約4%)引き上げる計画。

鋼材在庫が増加したのは年末の需要減速が要因とみられる。省エネ・排出削減目標達成に向けた規制の緩和により、製鋼所の多くが徐々に生産を通常の水準に戻している。需要は停滞しているものの、最近の原材料価格の高騰が鋼材価格を支えている。こうした状況下BOCIは鋼材価格の短期的な変動は限られるとみているが、中長期的には、政府の低所得者向け公営住宅や高速鉄道への投資、強いインフレ懸念により鋼材価格が値上がりする可能性が高いと指摘。鉄鋼銘柄のバリュエーションは比較的低い水準を維持しているものの、11年1-3月期には鋼材価格の上昇を背景に上向きに転じると予想している。

12月最終週の鋼材価格指数は2-6%安とベンチマークをアンダーパフォーム。CSI300指数は1.1%安だった。値上がり率のトップは攀枝花新鋼バナジウム(000629)。資産交換による事業再編と鉱業生産物開発分野への進出のニュースが歓迎された。特殊鋼銘柄も好調な値動きを示した。BOCIは鉄鉱石資源や、特殊鋼および条鋼類を扱う銘柄を推奨している。