1月4日
非鉄金属価格は上昇基調を維持、資源価値を反映

非鉄金属の国際価格は12月最終週、米国の経済指標が回復傾向を示したことを受けて上昇基調を維持した。最も値上がりした亜鉛は、2011年も引き続き他をアウトパフォームするとみられる。商品相場は、銅、鉛、亜鉛、その他金属ETFの過剰な流動性と供給の少なさにより上昇基調を維持する見通し。BOCIは供給状況を踏まえ、レアメタルの中でタンタル、インジウム、ゲルマニウム、モリブデンの価格上昇を予想。中国経済が年初から好調に推移し、引き締め政策に乗り出していない点や合金価格の上昇、強いインフレ懸念といった条件を加味し、1-3月期の非鉄金属価格が比較的強い値動きになるとみている。セクター内では、卑金属銘柄が最も値上がりし、レアアース、製錬加工銘柄が後を追う展開になる見通し。BOCIはA株非鉄金属セクターのレーティングを強気の見方に据え置き、株洲冶煉集団(600961)、寧夏東方チタニウム(000962)、雲南馳宏亜鉛ゲルマニウム(600497)、江西銅業(600362)を推奨銘柄に挙げている。

キーポイント

  • ロンドン金属取引所(LME)の非鉄金属価格は総じて上昇傾向を示した。亜鉛が前週比6.4%高(以下、すべて前週比)、鉛は5.5%高に達したほか、銅が2.6%高の1トン当たり9550元と年初来の高値を記録。スズは0.1%高にとどまった。一方、卑金属のスポット価格はほぼ横ばい。亜鉛が2.3%高と最も値を伸ばし、鉛は0.9%安となった。LME金属指数は2.3%高だった。
  • ゲルマニウム価格は3.8%高と強い値動きを維持。タンタルは2.8%高だった。インジウムは欧米のクリスマス休暇により取引が限られ2.8%安。ニッケル以外のLMEの在庫は増加傾向にあり、スズは4.3%増、銅は1.8%増だった。上海先物取引所(SFE)銅在庫は9.5%増。
  • 12月26日の中国の金利引き上げはサプライズだったものの、非鉄金属市場への影響は小さく、この週の価格動向は上向きを維持した。同市場ではむしろ米国の経済指標が景気回復を示した点を歓迎し、今後の展開に期待感が高まった。また、米ドル相場指数が1.85%安をつけたことも刺激となった。BOCIは金属指数の先行きについて強気の見方を維持。米景気の先行きの明るさに加え、長いクリスマス休暇を終えて投資マネーが商品市場に戻ると予想される。また、中国政府が省エネ・排出削減目標を達成するため産業界に指示していた生産調整を11年1-3月期に緩和する見通しで、金属の需要増加と価格上昇が見込まれる。
  • 非鉄金属上場銘柄の先週の値動きは活発で、NFM指数は4.04%高とベンチマークをアウトパフォームした。CSI300指数は1.10%高。銅および亜鉛関連銘柄が最も値上がりした一方、アルミニウム関連銘柄が後れを取った。