11月30日
バリュエーションの低下で投資価値が回復、ファンダメンタルズを評価
中国の石炭積み出し港・秦皇島では先週、山西産の高品位炭価格が年初来の高値を記録した。秦皇島の在庫は同6.4%減となり、下降を続けていた国内沿岸石炭運賃指数も上昇に転じた。冶金用石炭およびPCI炭の価格は全国的にほぼ横ばいを維持したが、コークス用炭価格は多くの地域で値上がりした。11月29日時点の石炭セクターは2011年予想PER14倍と過去最低水準で取引された。BOCIはバリュエーションの低さを受けて同セクターの投資価値が今後徐々に高まるとみている。個別では、値を下げながらもファンダメンタルズが良好な山西西山煤電(000983)、山煤国際能源集団(600546)、山西ロ安環保能源開発(601699)を推奨している。
キーポイント
大同南部郊外産の発電用炭坑口価格は11月29日の時点で前週比横ばいの1トン当たり490元。秦皇島の山西産高品位炭価格が同1.3%高の同810元と年初来高値を更新した。9月27日時点と比較すると、秦皇島の山西産高品位炭価格は13%、大同南部郊外産の発電用炭坑口価格は8.9%、それぞれ上昇している。
11月29日時点の秦皇島の1日当たり平均石炭取扱量は前週を12%上回る67万トンに達した。石炭在庫は前週比6.4%減の585万トンだった。国内沿岸石炭運賃指数は24日時点で前週比3.4%上昇し、3週連続の下向きから回復した。BDI(バルチック海運指数)も26日時点で同0.7%高と5週連続の下落を脱し上昇に転じた。国内沿岸石炭運賃の上昇は南部沿岸地域における石炭需要の増加を反映したもの。過去の傾向から判断すると、秦皇島の石炭価格動向は同運賃指数を追う展開となる。
NEWCインデックス(豪ニューキャッスル港出し石炭価格)は19日に前週比2.5%安の1トン当たり109米ドル。ブレント原油先物は同1.5%高の1バレル当たり86.5米ドルだった。29日時点の山西省太原および河南省平頂山産の2級冶金用石炭価格はそれぞれ前週比1.2%、2.8%高。現在はコークス用炭需要のピーク期ではないため、短期的なコークス用炭価格の上値は限られている。19日時点で主要都市の鋼材平均価格は前週比0.1%高。在庫は2.8%減と7週連続で下向いた。株式市場では石炭銘柄の値動きは低調で、11月11日以来16%値下がりし、ベンチマークを9%アンダーパフォームしている。
11月29日現在、石炭セクターは2011年PER14倍と過去最低の水準にあるが、ファンダメンタルズから判断すると投資価値は今後徐々に高まるとBOCIは判断。個別では山西西山煤電(000983)、山煤国際能源集団(600546)、山西ロ安環保能源開発(601699)、北京昊華能源股フン有限公司(601101)を選好している。