11月23日 A株「中立」
4週間にわたる取引減少に終止符、北京などを中心に物件相場もやや上昇

BOCIが調査対象としている中国17都市の不動産取引面積が過去4週間に及ぶ減少局面を抜け出し、先週、再び増加に転じた。また、中・高額不動産への需要のシフトに伴い、物件価格も上向いた。BOCIは長く続いた不動産銘柄のアンダーパフォームに変化が生じ、バリュエーション買いを受けて反発する可能性を指摘する一方、A株不動産セクターに対する中立的な見方を継続している。

17都市における11月15-21日の週の物件取引面積は、前週比5.8%増の341万9000平方メートルに達した。都市別では江蘇省南京市、福建省アモイ市が取引規模の伸びで上位に立った。また、平均取引価格指数も、北京市および湖南省武漢市の主導でやや上昇した。

この間の関連政策動向は以下の通り。
◇中国人民銀行(中央銀行)が年初から5回目となる国内金融機関の預金準備率引き上げを発表した◇国務院(内閣に相当)が商品価格の安定化に向け、16項目から成る物価抑制策を発表した◇中国銀行業監督管理委員会が信託基金に関する厳しい調査を開始する見通しとなった◇関連3省庁が土地使用権販売から得られた純収益を公的賃貸住宅開発事業に振り向ける方針を発表した◇浙江省寧波市がハウジング情報システムの構築に着手した。

このほか、不動産セクターの企業動向は以下の通り。
◇万科企業(000002)、北京城建集団(600266)、魯商置業(600223)が先週、新たな開発用地を落札した、◇濱江集団(002244)が子会社2社に総額17億5000万元の追加投資を行った。

BOCIはA株不動産セクターに対する中立的な評価を維持している。来年は在庫物件の増加と新築物件供給の拡大が物件相場の上昇圧力を軽減するとの見方。また、補助金対象となる住宅供給規模がかなり大幅に増える見通しに言及した。一方、中国政府が来年、段階的に不動産締め付け策の手を緩めると予想し、これにより、不動産セクター全体のバリュエーションが正常化するとの見方を示した。個別では引き続き、全国規模の大手デベロッパーである万科企業と保利房地産(600048)を選好。政策的な逆風下でこの2社がシェアを伸ばす見通しを示すとともに、2011年度の利益見通しの明確さを指摘した。また、相対的に規模の小さい銘柄の中では、首開股フン(BCD:600376)、福星科技(000926)、栄盛発展(002146)を有望視している。