11月16日 A株「オーバーウェイト」
食品価格の上昇が株価押し上げ要因に
BOCIがカバーする主要スーパーマーケット上場銘柄の株価は今年初め以降、デパート銘柄をアンダーパフォームしているが、スーパーマーケットの好調な業績はすでに株価に織り込み済みとみられる。10月の消費者物価指数(CPI)成長率は年初来最高水準に達し、インフレ圧力がスーパーマーケット銘柄の株価押し上げ要因となっている。来年以降も食品価格の上昇が続けば、スーパーマーケット各社の業績は市場予想を上回る見通し。こうした状況を踏まえBOCIはスーパーマーケットセクターの投資判断を「オーバーウェイト」とし、トップピックに武漢中百集団(000759)を挙げている。
投資判断要因
北部への冬の到来により今後は野菜や果物の供給不足が進む。さらに、10-12月期および春節(旧正月)は例年消費のピークに当たるため、食品価格は今後も上昇傾向を維持するとみられる。
食品および生鮮品はスーパーマーケットの主要商品であり、これらは業界売上高のおよそ70%を占めている。このためスーパーマーケットは食品価格上昇の恩恵を直接的に享受することになる。
スーパーマーケットがインフレから受ける影響については、2002-04年、2005-07年のインフレ期を踏まえ以下が推測される。1)消費期間の長い在庫品は仕入れ値と販売価格の差が生じ利益率が上昇。2)商品価格の上昇が小売価格に反映。3)さらなる値上がりに備えて商品を買い溜めする消費行動により販売量が増加。
BOCIが推奨する武漢中百集団が湖北で展開するハイパーマーケットの既存店売上高は10年1-9月期に前年同期比10.7%増。重慶店の同売上高も同18%増に達し、競合を上回る業績を示している。また、同社は2級・3級都市におけるネットワークの拡大と地域配送ルートの改善に向け、湖北などにある食品配送センターおよび生鮮品のロジスティクス設備の建設を進めている。同社の株価は現在、セクター平均に対して10%のディスカウント水準。BOCIは同社の投資判断を「強気」の見方に据え置き、目標価格を引き上げた。