14日の日経平均は、347円安の18,883円でした。午前中に一時、619円安の18,611円まで下がりましたが、その後、下げ幅を縮小しました。私は来年末に日経平均は22,000~24,000円まで上昇すると予想しており、ここは日本株の買い場と考えています。
ただし、まだ短期的な下値リスクは完全には払拭されていません。イベント(米FOMCで利上げが予想されていること)通過後、日経平均がさらに下がるリスクも残っています。慎重に買いタイミングを探っていくと良いと考えます。
今日は、乱高下する株式市場に対応して、株の短期変動にどう対応すべきか、私がファンドマネージャー時代に行っていた方法をご紹介します。
(1)「イベント通過後は株安になる」と市場コンセンサスがある時は、イベント通過後は株高になることが多い
私は、ファンドマネージャー時代に、公的年金・投資信託・特金ファンドなどで約2,000億円の日本株運用を運用していました。私が担当していた公的年金は常に日本株にフルインベストメントすることがルールでしたが、投資信託では5%程度、特金ファンドでは10%程度を上限としてキャッシュを持つことが許容されていました。したがって、投資信託や特金ファンドでは、短期的に株に弱気であるか強気であるかによって、5%程度の範囲で、株式組入比率を低くしたり、高くしたりしていました。
私が、ファンドマネージャー時代にも、重大イベントを前に、投資家が神経質になる局面は沢山ありました。こうした重大イベントが近づいた時、私が常に考えることが1つありました。「イベント後の株式市場の動きについて、市場コンセンサスはあるか?」を考えます。イベント前にコンセンサスがあって、相場が事前に大きく動いているときは、イベント後は逆に動くと考えます。
たとえば、「イベント通過後に株安」というコンセンサスがあって、株が急落しているときは「イベント後は株高」と判断します。こうした逆張りの投資行動は、たいていうまく行きました。
ただ冷静に考えて、それは当然のことです。もし、相場参加者のほとんどが、イベント後に株安になると考えているならば、イベント前に急いで株を売ろうとする投資家が増えます。一方、株を買い増しする予定のある投資家は、イベント前に買うのをやめて、イベント後に買おうとします。その結果、イベント前に日経平均は急落し、イベントの日が大底となって、日経平均は反発することになります。
私の運用していた投資信託ファンドは、ベンチマーク(競争相手)である東証株価指数に長期的に大きく勝ち越していましたが、要因分析をすると、銘柄選択効果だけでなく、短期的にキャッシュ比率を5%程度の範囲で変動させていたことも、貢献していました。
(2) 今回のイベントでは、通過後の短期的反応を予想しにくい
重大イベントの前に市場にはいろいろな予想や噂が飛び交います。今で言えば、9年半ぶりの利上げが予想される米FOMCを15・16日に控え、FOMC後の世界の株式市場について、さまざまな予想が出されています。弱気説と強気説と両方出ています。9年半ぶりの利上げ実施に衝撃を受けて、世界的に株が下がるという弱気の見方があります。一方、12月の利上げは織り込み済みで利上げ後は材料出付くしで株が反発するという見方もあります。
イベント通過後の見方が割れているので、イベント通過後に、相場が短期的にどう動くかが見通しにくくなっています。
ただ、最初に述べたとおり、景気・企業業績の改善が続き、来年に日経平均は22,000円以上に上昇すると考えていますので、今の日経平均調整局面は、買い場との考えは変わりません。短期的な変動が見通しにくいですが、なるべく安いところで、株を買い増ししていきたいと思っています。