2009年6月中間決算は48.9%増益、新経営陣の手腕を見極め
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00023 | 東亜銀行(バンク・オブ・イーストアジア) |
26.00 HKD (08/26現在) |
株価 企業情報 チャート |
東亜銀行(BEA)が発表した2009年6月中間決算は、純利益が前年同期比48.9%増の11億7000万HKドルと、市場コンセンサスおよびBOCIの予想を上回る水準だった。トレーディング部門が好調を維持した一方、減損損失が2008年下期のような大幅増に至らなかったことが寄与している。ただ、中国における融資残高の伸び率鈍化が懸念事項として挙げられ、新経営陣の手腕が問われる状況。これらの点を踏まえ、BOCIはBEAの株価の先行きを中立の見方に据え置いている。
09年上期の純金利収入は前年同期比7%減の32億3400万HKドル。融資残高が全体で前年同期を5.7%下回ったことが影響した。非金利収入も融資関連の手数料収入が大幅に減少したことで同14.7%減となった。ただ、トレーディング部門の利益増と評価損の減少が貢献し、引当前利益は19億HKドルと、前年同期の2億4300万HKドルの赤字から黒字転換を果たした。営業コストは比較的安定していたが、中国での事業拡大により10%増。経営破たんした米大手証券リーマン・ブラザーズが発行した仕組み債「ミニボンド」の補償問題に関しては、十分な引当金が用意されているとみて、BOCIは業績への大きな影響はないと予想している。
不良債権比率が前年同期の0.53%から1.02%に上がっており、不良債権処理額は前年同期を大幅に上回った。ただ、香港の不良債権比率が08年末と比べほぼ同水準の0.8%を保っていたため、全体の不良債権比率も半期ベースではあまり変化はなかった。しかし、海外事業の不良債権比率は、08年末の1.5%から4%に拡大。今後も不良債権の動向を注視する必要がある。
住宅ローン残高の減少により、香港の融資残高は前年同期比3.4%減となった。一方、中国の融資残高が全体に占める割合は43.0%から40.2%に若干低下。BEAは中国の融資が下期には回復するとみているが、その動向が今後の業績を左右する可能性が高いとBOCIは指摘している。09年6月中間期で、中国事業は営業収入の33%、税引き前利益の44%を占めている。
BEAは経営体制の世代交代を進めており、09年3月には李国宝・会長兼最高経営責任者(CEO)の長男の李民橋氏(35)と二男の李民斌氏(34)を含む5名を昇格させた。李家の2人は副CEOとなり、香港および中国事業をそれぞれ統括。向こう6-12カ月は新経営陣の能力が問われる期間となりそうだ。
BEAは1株当たり0.28HKドルの中間配当を実施する方針。配当額は前年同期に比べ33.3%増加したが、配当性向はわずかに下がっている。また、自己資本比率および中核的自己資本比率はそれぞれ13%、8.4%と健全な状態を保っているものの、2008年末時点に比べると若干低下した。