55歳の投資デビューはこう始める
とはいえ、55歳という年齢でやみくもに投資デビューをするべきではありません。いくつかのポイントをあげておきます。
投資期間を長く取ること
数日あるいは数週間で数十%の利益を得るような投資イメージは捨て、複数の投資対象に資産を分散しつつ数年後に増えていればよい、というくらいの投資スタンスでスタートしてください。
「60歳までに元手を2倍以上に」などと考えないことがまず大事です。
最初は投資金額はとにかく少なめにする
経験がない状態の「55の手習い」である以上は金額は控えめにすべきです。投資金額を増やすチャンスは退職金をもらったときにやってきます。それまでは数十万円程度の運用にとどめ、100万円以上のステップに移る前に経験を積むようにしてください。
資産運用の業界にはゴルフのハンディキャップもなければ、初心者向けレートのようなものもないのですから。
もし投資金額を増やしたいときは毎月定期入金をする形で徐々に積み上げていくことをおすすめします。
基本的にNISA口座を利用する
証券口座を開設する際、NISA口座の開設書類をセットで提出するようアナウンスされることが多いと思います。NISA口座は年120万円までの投資元本について運用益が完全に非課税になります。特に理由がない場合はNISA口座の活用を優先すればいいでしょう。
運用で儲けたとき、利益から20%も引かれずにすむ選択肢なのですから。
この3つの条件を守れば、何を買うかは好きに決めてかまいません。複数のアセットクラスに分散投資された投資信託(その代わり信託報酬はとにかく安いものを!)を買うもよし、個別企業の株を買ってみるのもいいでしょう。
長期的に持ち続けて得をするわけではないので、為替(FX)に手を出す必要はありません。FXは実際の投資額以上の売買になる(レバレッジ)点でも投資未経験者にはハードルが高いものです。
投資金額が小さければ損失額もまた小さくなりますので、短期的な下落に焦る必要もありません。それよりも、国家レベルでの経済成長や個別企業の発展が転じて、長い目で自分の資産の増加につながる感覚を楽しんでみてください。
趣味でも「50の手習い」「60の手習い」から大きく成長する人がたくさんいるように、投資の「55の手習い」は決して無駄になりません。「今さら…」と思わず口座開設してみてはどうでしょうか。