最後に、確定拠出年金を会社が制度として採用している場合、「加入するかしないか」の選択肢と、「加入する場合、マッチング拠出で自分のお金を追加入金をするか」の2つの選択肢が与えられることがあります。
そもそもの加入については絶対に加入します。そうしないと見かけ上給与やボーナス額が増えますが、確定拠出年金に積み立てた場合と比べ税金や社会保険料が引かれる分、10~15%損をした額しかもらえないからです。積立後も運用益に非課税というメリットが得られます。
また、追加入金(マッチング拠出)が選択できる場合、まずは選択して上限額を入金します。新卒の場合、会社の掛金が数千円でスタートし、追加入金の上限もそれ以下にとどまりますから、それほど無理な金額になりません。これもまた税制優遇を受けられるお金なので、優先順位は高く利用したい制度です。
積立貯蓄と積立投資をしよう
最後のステップは「メインバンクで積立定期預金」+「証券口座で積立投資信託」を行うということです。
オンラインバンキングのホームページで積立定期預金を選択すればすぐ手続きは完了します。「給与振込日翌日」に「10000円程度」で「1カ月定期」を積み立てる設定にしておきましょう。もし、前述の財形をやっていればこれは積立貯蓄とほぼ同義なので積立定期預金の金額は減らしてもOKです。
積立の投資信託については、とにかく手数料が安いインデックスファンドを1ないし2本選びます。国内株のインデックスファンド(ベンチマークはTOPIX)と海外株のインデックスファンド(先進国のみとするか新興国を含めるかはお好みで)が候補です。
オンラインバンキングを介して銀行口座と連携できることが多いと思いますので、証券口座と連携させておきます。手数料さえ割安であれば(購入時は無料、運用管理費用は年0.5%以下に抑えること)、銀行の取り扱っている投資信託を選んでもかまいません。
運用で稼ぐことより元本の上積みを覚えることが大事
新社会人から20歳代にかけては、「投資をスタートすること」と「積立を行うこと」が資産形成上重要なポイントになります。
まず投資経験は若いうちに少額でしておくべきです。経験は長いほど有利になりますし、失敗しても金額が少ない若いうちはダメージが軽微になるからです。
また、若い頃の資産は運用で稼ぐペースより、毎月の積立のほうが早く増えていきます。10万円をがんばって運用して10%増やしても11万円ですが、毎月の積立で1万円追加入金すればすぐに11万円になります(11万円の元本はさらに増える余地があり、また来月確実に元本が追加入金されればもっと増えるペースは速まる)。
最初は投資について分からないことも多いと思いますが、3つの取り組みを行ってみれば1年後には投資経験(上がったり下がったり)も得られ、投資元本や貯蓄元本の分だけ確実に資産が増え、そして経済に対する意識や知識は同期と違ってくるはずです。
最初の一年に、何重にも意味のある経験ができると思いますので、ぜひ3つの行動をしてみてください。