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夫婦それぞれ投資するときの要注意
山崎 俊輔
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夫婦それぞれ投資するときの要注意

2015/6/15
最近増えている「なんとなく投資」のシチュエーションに、夫婦それぞれが証券口座を持って投資している状況があります。
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最近増えている「なんとなく投資」のシチュエーションに、夫婦それぞれが証券口座を持って投資している状況があります。

ちょっと前なら「女性は株をやらない」で決めつけてもよかったのですが、女性もたくさんの人が投資をする時代ですし、昔のように「投資はオトコの勝負」とはいえない時代になりました。確定拠出年金の普及もその一因で、女性社員の多くが男性社員と同条件で資産運用を行っています。

行動ファイナンスの調査では男性は女性より売買回転率が高いというデータや、回転売買の比率が高い投資家が必ずしも高いリターンをあげていない、というデータもあり、夫婦が証券口座をそれぞれ有しているケースにとって気になるデータです。

さて、夫婦が証券口座をそれぞれ有しているとき、それぞれが最善の判断をしているつもりであっても、夫婦の口座をひとつのものとして捉えてみると非効率的な売買が生じている恐れがあります。

今回は「なんとなく投資」を考える切り口として「夫婦それぞれが投資をしている場合」について考えてみます。

夫婦それぞれが投資口座を持つ場合のパターン

おそらく、専業主婦である女性と正社員である男性がそれぞれ証券口座をもつことはあまりないと思います。シチュエーションとして多いのは共働きである男女がそれぞれ証券口座をもつ場合です。

男性だけが投資をしている場合であっても、入金額や投資方針、運用結果を妻に逐一報告する人はほとんどいないでしょう。投資に理解が浅い人に一時的な負けも勝ちもあまり話したくないものです。それが家族であればなおさらで、負けているときは怒らせそうですし、うまくいっているときは何か買ってくれといわれそうです。

これは夫婦ともに証券口座を持っている場合であっても、同様です。入金額や投資方針について、わざわざお互いに発表することはあまりないでしょう。また、パフォーマンスについても互いに報告し合うこともあまりないと思われます。

しかし、それはあまり効率的な運用とはいえません。極端な例をあげれば、女性は投資情報を検討し業績悪化の兆候があるS社株を売ったところ、男性はこれを悪材料出尽くしとにらんで買ったようなシチュエーションが起こりえますが、ひとつの家庭としてはまさにムダな売買です。売買手数料がムダにかかっていますし、譲渡益が出ていれば不要な課税が生じることになります。

効率的でないのはそれだけではありません。

異なるゴールを目指し、異なる運用方針をもつ非効率も注意

投資の目的やゴール時期が異なっている運用をそれぞれが勝手に行っているのも好ましい状況とはいえません。

夫婦がそれぞれどのような目標に向けて投資を行うかはお互いに話し合わなければ分かりませんが、女性は子どもが小学校のうちに高校と大学の入学金準備をしたいと考えていたところ、男性は同じことを考えていたがリスクテイクの程度がまったく違っていたり、お互いの目標額を合計しても準備額は足りないとしたらどうでしょうか。

あるいは夫が教育資金準備に投資を組み入れていることを妻は承知していながら、夫の組み入れ銘柄や売買頻度については短期的視点であることを気にしていたとしたら、これもどうでしょうか。

投資目標や運用方針のズレが、お互いの了承済みであったり納得の範囲内であれば悪いことではありませんが、互いの投資状況を知らずに投資を続けていることの危うさは認識をしておく必要があります。

まずは夫婦それぞれのアカウントの運用方針を切り分けてみる

夫婦の資産運用を一元化する、という理想像の実行が難しいと仮定したうえで、シンプルな「夫婦の証券口座管理」を考えるなら、投資対象や運用方針が切り分けられている状況が考えられます。

例えば妻の証券口座はETF等を用いたインデックス運用を前提にしており、夫の証券口座は個別銘柄を中心としてアクティブに売買をする、というようなすみわけをしてみます。

もっとシンプルにシェアするなら妻は個人向け国債やMMF等の債券運用を中心にし、夫は株式投資をするようなすみわけもあるでしょう(もちろん夫婦が逆でもかまわない)。

このとき、夫婦それぞれの性格や投資スタンスが反映されることが前提です。そもそも株式投資をしたくない妻に回転率が高い売買を担当させるようなすみわけは無意味どころか悪影響が出てくることになります。

運用方針だけでなく資産ウエートのすみわけも意識する

運用方針のすみわけを夫婦で合意しても、それぞれの資産ウエートの配慮が伴わなければ全体としての効率化にはつながりません。もう一歩考えてみます。

具体的には「夫婦の合計資産に占めるリスク資産シェア」についてのコンセンサスを作り、「リスク資産シェアを夫婦それぞれの口座に振り分ける」ことを話し合ってみるといいでしょう。

個人ベースだと、自分の定期預金残高と証券口座残高だけの比率を考えればいいのですが、夫婦で証券投資を行う場合、「夫の定期預金等」「夫の証券口座投資資金」「妻の定期預金等」「妻の証券口座投資資金」の4口座を合計してシェアを見ていくことが必要です。

先の例で、うまくないパターンを示してみます。夫婦の統合ポートフォリオにおいてリスク資産と安全資産のシェアは5:5を希望し、リスク資産においてはインデックス運用が7割くらい占めてもいいと考えていたとします。

しかし、貯蓄額や証券口座への入金額はそれぞれの年収比でそれぞれが追加されている場合、目標と現実にギャップが生じます。

仮に夫のほうが年収が高く、夫婦の所得比が6:4であれば、徐々にアクティブな運用資金のシェアが高まっていくことになってきます。少なくともインデックス運用7割にはならないでしょう。

夫婦の運用の一元化を試みるとき、互いの情報共有が大前提です。まったく情報共有がなされないままそれぞれが勝手なトレードや追加入金・出金を繰り返すのであればますます効率的な運用からは遠ざかることになるからです。

この話題、まだ書き切れていないテーマがあります。もう少し深掘りして考えてみても良さそうです。次回も引き続きこのテーマで夫婦の口座管理や運用方針管理について考えてみたいと思います。たとえば、NISAや確定拠出年金口座についても考えてみたいと思います。

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