【米ドル/円 米CIT破綻懸念を受け急落】

昨日までの動向

米ドル/円は30日、実体部がしっかりした陰線引け。東京市場の動きでは米ドルが対円で小幅に下げる展開に。日銀は30日の金融政策決定会合で金利据え置きを発表したが、「CP(コマーシャルペーパー)と社債購入は年内で終了」と表明。金融危機後の危機対応策の解除は初めてとなり、出口戦略に向けての第一歩と捉えられ、対米ドルでやや円が買い戻される動きとなりました。米ドル/円は東京市場引けにかけて91円台を割り込んだ後、91円台を挟んでのもみ合いとなりました。なお、30日に発表された日本の9月失業率は予想5.6%のところ結果5.3%となり事前予想から改善する一方、同日に発表された消費者物価指数(CPI)は 変動の大きい生鮮食品を除くベースで100.2になり、前年同月比で2.3%低下となり根強い物価下落圧力を示す内容となりました。失業率が改善する一方で物価低迷は継続といった強弱入り混じる内容となったため市場の反応は限定的となりました。

欧米市場に入り米ドル/円は急落。複数のアナリストらが「米CITが数日以内に破綻する」との懸念を強めた事から、金融不安が再燃し、米株式市場は下げ幅を大きく拡大。リスク回避の円買いが活発化し米ドル/円は90円台を割り込み一時89.85-90レベルまで下げる展開となりました。市場では29日の7-9月期米国内総生産(GDP)が前期比年率3.5%増と大幅な伸びを示したことが好感され、米ドルを急激に買い戻す動きとなっていましたが、金融不安の再燃により、リスクポジションの手仕舞いが再び強まり、米ドルは対円で再び下げる展開となりました。なお、本日朝方、米商業金融CITグループが米連邦破産法に基づく会社更生手続きの適用申請したとの報道を受け、米ドル/円は89.20-25レベルまで大きく下げての取引となっています。

本日の展望

米ドル/円は直近サポートとして機能していた90円台前半を割り込み下げ幅を拡大。大局的なリスクは下方向と見る向きが多いもよう。次の下値ターゲットとして、10月15日の安値89.20-25レベルがあげられます。同レベルを下回った場合、10月14日の安値88.80-85レベルや10月9日の安値88.30-35レベルを視野に捉えての値動きとなりそうです。一方、上値では一目均衡表の基準線や21日移動平均線が位置する90円台前半レベルを早期に回復できるかが焦点となりそうです。

本日の主な指標

東京時間24:00:(米)ISM製造業景況指数-10月 予想53.0 前回52.6
東京時間24:00:(米)中古住宅販売保留-9月 予想0.4% 前回6.4%
東京時間24:00:(米)建設支出-9月 予想-0.3% 前回0.8%

参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド

11月3日、FXデイリーチャートはお休みをいただきます。なお、最新版は11月4日、13時頃に更新いたします。

【豪ドル/円 リスク回避姿勢から再び豪ドル売り優勢の動きに】

昨日までの動向

豪ドルは30日、大幅下落。29日の米GDPの改善を受け、リスク投資の活発化から高金利通貨などの高リスク資産に資金を移す動きが優勢となっていましたが、前週末に米株価が大幅反落するなどリスク回避姿勢が再び強まったことを受けて下落。このところ日替わりで上下に大きく振れる不安定な相場となっている。米株式相場の急反落を受け、リスク回避の動きが強まり、金市場でも手仕舞い売り優勢となったことなども、資源産出国通貨である豪ドル 売りに寄与した模様。豪ドル/円は前週末、東京市場で83円台後半を推移、一時84円台乗せを窺う動きとなっていましたが、その後急落、81円台を割り込むレベルまで下げる動きとなりました。なお、本日2日、米商業金融CITの破綻報道を受け、79.45-50レベルまで下げる動きとなりましたが、東京市場早朝に発表された7-9月期豪住宅価格指数が事前予想を上回ったことなどを受け、再び81円台に急激に戻す動きとなっています。

今週は3日に豪中銀の政策金利発表が控えており。市場では0.25%の追加利上げを見込む向きが多いが、一部には0.5%の利上げ予想もあるもよう。4日には9月の豪小売売上高と9月の豪住宅着工許可件数が発表される。また、5日にスティーブンス豪中銀総裁の講演が予定されています。

本日の展望

豪ドル/円は目先サポートとして機能していた一目均衡表の基準線を下抜き下げ幅を加速。一目均衡表の転換線も下向きに転換しており、更なる下落を示唆しているようです。また、一目均衡表では目先、変化日を示唆する雲のネジレが観測されていることが気がかり。そのネジレは11月初旬に78.30-78.35レベルに位置しています。豪ドル/円の価格は一目均衡表の雲が位置するレベルから未だ乖離する動きとなっており、今後この乖離を埋めに行くもう一段の調整的な豪ドル反落リスクに注意を払いたいところです。一方、上値では基準線が位置する80.75-80レベル や転換線が位置する82.30-35レベルをしっかりと回復できるかが焦点となりそうです。

本日の主な指標

東京時間09:30:(豪)住宅価格指数-3Q 予想3.0% 結果4.2% 前回-1.5%

参考 一目均衡表の見方については下記をご参照ください。
楽天FXビギナーズガイド

11月3日、FXデイリーチャートはお休みをいただきます。なお、最新版は11月4日、13時頃に更新いたします。