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インターネット・セクターについて
広瀬 隆雄
わかりやすいグローバル投資レポート
グローバル投資に精通する広瀬隆雄氏に、新興国株式だけでなく、米国株、欧州株をはじめとする先進国株式など、海外全般の経済や投資ストラテジーをご紹介いただきます。

インターネット・セクターについて

2013/11/25
今日のまとめ、1.インターネット・セクターは好調2.ドットコム・ブーム当時とは異なり、ちゃんと利益が出ている企業が大半3.業績が安定的に推移している…
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今日のまとめ

  1. インターネット・セクターは好調
  2. ドットコム・ブーム当時とは異なり、ちゃんと利益が出ている企業が大半
  3. 業績が安定的に推移しているのはイーベイ、グーグル、プライスライン・ドットコム

インターネット・セクターの概観

2012年末の時点で世界には24億人、米国には2.4億人のインターネット・ユーザーが存在します。インターネットの普及率は世界が34%、アメリカが78%です。

最近、多くのユーザーはスマートフォンからもインターネットにアクセスしはじめています。世界のスマートフォン加入者数は14.9億人、アメリカは2.2億人で、普及率はそれぞれ21%と69.7%です。

インターネット・セクターは2013年を通じて良いパフォーマンスでした。各社の決算もおしなべて良く、株式市場におけるネット関連株の好調は、新規株式公開のブームを呼んでいます。つまり1990年代のドットコム・ブームの頃の活況が、ある程度、戻ってきているわけです。

ドットコム・ブーム当時と、現在のインターネット・セクターの大きな違いは、ごく一部の銘柄を除いて、現在のネット株は利益を出している企業が多い点です。

このグループに属する主な企業は次の通りです:

ティッカー 銘柄名 事業内容
AOL AOLインク ウェブ・コンテンツ、各種サービス
AMZN アマゾン・ドットコム オンライン・リテイラー
EBAY イーベイ ネット・オークション
FB フェイスブック ソーシャル・ネットワーク
GOOG グーグル 検索エンジン
LNKD リンクトイン 求人ソーシャル・ネットワーク
NFLX ネットフリックス 映画ストリーミング・サービス
P パンドラ・メディア インターネット・ラジオ
PCLN プライスライン・ドットコム オンライン・ディスカウント旅行予約
YHOO ヤフー ウェブ・コンテンツ

AOL

AOL(ティッカーシンボル:AOL)は1985年に創業されたインターネット企業です。創業当初は電話回線を使ってユーザーがネットに接続する際のアクセス・サービスが事業の柱でした。しかしブロードバンドが普及するにつれてこのビジネスは先細りとなり、AOLはビジネス・モデルの変更を余儀なくされました。同社はドットコム・ブームのピークにエンターティメント企業、タイム・ワーナーと合併しましたが、この合併は投資家に評判が悪く、2009年12月にタイム・ワーナーがAOLをスピンオフしました。

現在、AOLはウェブ・コンテンツや各種サービスを展開しています。主なブランドにはAOL.com、ザ・ハフィントンポスト、パッチ、テッククランチ、エンガジェット、マップクウェストなどです。未だネット接続のアクセス・サービスからの売上高が残っており、この部門は-15%前後で年々縮小しているので、同社の全社的な売上高成長率は頭打ち気味です。

同社は自社株買い戻しで発行済み株式数を圧縮しており、1株当りの売上高が伸びているのは主にこれが原因です。

【略号の読み方】

  • DPS一株当り配当
  • EPS一株当り利益
  • CFPS一株当りキャッシュフロー
  • SPS一株当り売上高

同社は最近、アダプティーヴィー(Adap.tv)を買収しました。アダプティーヴィーは動画広告配信の会社で、AOLが目指している広告収入に依存する事業モデルとよくマッチしていると言えます。この買収は目先こそAOLのEPSにとってマイナス要因ですが、2015年からは収益に貢献してくると予想されます。

アマゾン・ドットコム

アマゾン・ドットコム(ティッカーシンボル:AMZN)は世界最大のオンライン・リテイラーです。同社の売上で最大の項目は電化製品で63%を占めています。書籍、音楽、ビデオなどのメディアは33%です。海外売上比率は43%です。

同社は目下、利益を後回しにし、売上高成長を伸ばすことに専心しています。第3四半期の決算では前年比+24%の売上成長が記録されました。これは同社の規模を考えた時、立派な数字だと言えます。同社のマージンは2014年にかけて拡大すると見られています。

イーベイ

イーベイ(ティッカーシンボル:EBAY)はネット・オークションの企業です。同社は2002年にオンライン・ペイメントのペイパルを買収し、傘下に収めています。ネット・オークションのビジネスは、このところ少し陰りが見えています。その半面、ペイパルはモバイル・ペイメントの局面でユーザーから好んで使用されており、同社の業績の牽引車の役目を果たすようになってきています。

イーベイの営業マージンは35%前後で極めて安定的に推移しており、業績には安定感があります。

フェイスブック

フェイスブック(ティッカーシンボル:FB)はソーシャル・ネットワークの企業です。同社は2012年に新規株式公開を果たしましたが、取引開始直後にナスダックのシステムが故障し、トレードが混乱したこと、その後の決算発表が冴えなかったことなどにより、1年近く株価が低迷しました。

最近になってモバイル市場における課金が、予想より上手く行き始めているので、同社株を見直す投資家が増えています。

現在の月次アクティブ・ユーザー数は前年比+18%の11.9億人です。また月次モバイル・アクティブ・ユーザー数は+45%の8.74億人でした。フェイスブックの売上高に占めるモバイル比率は49%にまで上昇しています。

同社のストーリーで唯一気がかりな点としては若者のフェイスブック離れがはじまっている点です。

グーグル

グーグル(ティッカーシンボル:GOOG)は検索エンジンの会社です。同社の業績はインターネット・セクターの中でも最も安定しており、キャッシュフローも潤沢です。

懸念点としてはクリック当たり単価の下落が挙げられます。その半面、売上高は今後も年率15%程度で安定的に成長すると見られており、それがマージンの若干の減少を補って余りあると考えられます。同社のバランスシートは極めて強固です。

リンクトイン

リンクトイン(ティッカーシンボル:LNKD)は求人のソーシャル・ネットワークです。現在、登録者数は2億人を超えており、200カ国にユーザーが散らばっています。同社は求人する企業側と、求職する個人の側の両方に対して課金するモデルを採用しています。

同社は決算の毎に市場予想を上回る決算を出し続け、投資家の信頼が厚いです。しかしさすがに株価が高くなってしまったので、最近は同社としては珍しい調整局面に入っています。

ネットフリックス

ネットフリックス(ティッカーシンボル:NFLX)は映画のストリーミング・サービスの会社です。2012年末の時点での会員数は4,430万人です。

同社は2011年に課金システムを改めた際、顧客から反発があり、株価が300ドルから50ドル近くまで急落しました。しかしその後、潤沢なキャッシュフローに対する見直し買いが入り、現在は新値圏に達しています。

同社は新鮮なコンテンツで会員をつなぎとめるため、自社で番組の作成に乗り出しています。このような事業戦略はケーブル・テレビの業界でも見られたことであり、別に奇異な戦略ではありません。実際、アマゾンやフールーなどのライバルも同様にオリジナルのコンテンツを製作することを始めています。

パンドラ・メディア

パンドラ・メディア(ティッカーシンボル:P)はインターネット・ラジオの会社です。同社は2013年1月末の時点で1.75億人のユーザーが居ます。同社の売上は88%が広告、12%が月額課金です。

最近、アップルが「iTunes Radio」のサービスを開始したので、ユーザーの離反が懸念されましたが、これまでのところは同社に対する影響は余りないようです。

同社はネット上で音楽を配信するとその音楽の使用料を払わなければいけないので、薄利です。しかし消費者の音楽の聞き方は、どんどんインターネット・ラジオにシフトしているため、今後は音楽の使用料がディスカウントされる可能性もあります。

プライスライン・ドットコム

プライスライン・ドットコム(ティッカーシンボル:PCLN)はオンライン・ディスカウント旅行予約サイトです。同社サイトのユーザーは「この値段なら払える」という値段を提示し、それをもとにプライスライン・ドットコムが団体割引の在庫の中からチケットを探してきて取引を成立させるという手法です。

リーマン・ショック以降の不景気から世界経済がようやく立ち直りつつある中、旅行の予約、とりわけホテルの予約は急速に回復しています。宿泊料の値上がりは、同社の売上高にも追い風になっています。

ヤフー

ヤフー(ティッカーシンボル:YHOO)はウェブ・コンテンツ企業です。同社はヤフー・ジャパンの35%株式を保有しています。同社はコスト削減に力を入れた結果、2013年のEPSは2012年に比べて24%近く改善する見込みです。

同社はまたヤフー・ジャパンやアリババなどの海外の資産のリストラクチャリングを巡る思惑もあり、株価の刺激材料となっています。ただ売上高成長は頭打ちの様相を呈しており、ヤフーの取るべき方向性がハッキリ見えているかと言えば、そうではありません。

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