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今中能夫「楽天証券投資Weekly」
今中 能夫
楽天証券投資weekly セクター・投資テーマ編
毎週金曜日夕方掲載。楽天証券経済研究所チーフアナリスト 今中能夫の、今週1週間の国内株式市場の情報がつまった週刊レポートです。注目セクターと投資テーマに重点を置いて、相場と銘柄を…

今中能夫「楽天証券投資Weekly」

2013/3/8
今週から「楽天証券投資Weekly」を発行します。従来お送りしてきた「信用取引評価損益率コメント」「決算発表銘柄コメント」を発展的に統合したものです。
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楽天証券経済研究所所属のアナリスト今中能夫による今週1週間の国内株式市場の情報がつまった週刊レポートです。
今後の相場の見通し、決算発表情報、個別銘柄の短期株価見通しなどを分かりやすく解説しています。

マーケットコメント

2013年3月4日の週の株式市場は、好調に推移しました。黒田日銀新総裁に民主党が反対しないことになり、本決まりとなったこと、NYダウが週初より快調で5日に過去最高値を更新した後も続伸していることなどを支援材料に、日経平均も2月28日から毎日続伸しています。「脱デフレ」をテーマとした大相場の様相を呈してきました。8日は前日比315.54円高の12,283.62円で引けました。内閣府が本日発表した2012年10-12月期実質GDPの2次速報値が、1次速報値の前期比0.1%減から同0.0%増に上方修正されたことも反映されています。

日経平均は3月7日に寄り付きで12,000円台に乗せましたが、8日後場には12,200円台に入っており、2008年9月以来の12,000円台を固める動きです。当面の節目は月足チャート(グラフ2)で見たときの節目12,000円前後、あるいは、2012年3月27日ザラ場高値10,255.15円から2012年6月4日ザラ場安値8,238.96円の倍返し、12,271.34円となりますが、勢いのある相場であり、趨勢的には3倍返しの14,287.53円を目指す展開だと思われます。ちなみに、14,000円前後にもチャート上の節目があります。

また、安倍首相が為替レートに対する積極的な発言を開始した2012年11月14日をアベノミクス相場の起点として、主要セクターの東証指数を指数化してみました(グラフ6~8)。これを見ると、輸出・グローバル系、内需・金融緩和系を問わず多くの業種で株価が上がる全面高となっていることがわかります。特に大型株は安定的に高いパフォーマンスを達成していますが、一方で、新興市場株は上昇率は高いものの下落局面もあり、銘柄選択と売買タイミングが難しいこともわかります。

中でも輸出・グローバル系は、円安メリットが大きい輸送用機器(自動車など)、機械(プラント、工作機械など)、電機(民生用電機、電子部品)がTOPIXを上回るかTOPIX並みの上昇率となっています。ただし、2月に入って上昇率が落ちたり、精密機器のようにデジタルカメラの悪化から指数が下落する業種もでてきました。総合商社が含まれる卸売も2月以降指数の上昇が止まりましたが、これは総合商社の株価が上昇一服となったためです。

一方、内需・金融緩和系は2月以降不動産の上昇率が大きくなっていますが、これは大型金融緩和が地価上昇に結び付く期待が出てきたためと思われます。また、最近では株価上昇が高額消費に結びつき始めたため、小売りが上昇しています。

今後は、輸出・グローバル系、内需・金融緩和系とも、製品需給の悪化、輸入資材の価格上昇、人件費上昇などで明らかに業績が悪化していたり、伸び悩んでいる業種(例えば、精密、HDD向け電子部品、中堅自動車部品、中堅建設など)以外は、循環物色が続くと思われます。業種と銘柄の選別は重要になっていると思われますが、引き続き強い相場が続くと思われます。

表1:楽天証券投資WEEKLY

グラフ1 日経平均株価:日足

グラフ2 日経平均株価:月足

グラフ3 信用取引評価損益率と日経平均株価

グラフ4 円/ドルレート:日足

グラフ5 円/ユーロレート:日足

マーケットスケジュール

2013年3月11日の週のマーケットスケジュールを概観します。

日本では、3月11日に1月の機械受注が公表されます。

12日は、2月の企業物価指数、消費動向調査、2月13、14日の日銀金融政策決定会合の議事要旨が公表されます。

アメリカでは、13日に2月の小売売上高、15日に2月の消費者物価指数、鉱工業生産指数などが発表されます。

この週は、日本の企業物価指数と消費動向調査、日銀の金融政策決定会合議事要旨、アメリカの鉱工業生産指数が注目されます。内容次第では一段の円安と株高に結び付く可能性があります。

特集:円安メリットで来期(2014年3月期)業績の好調が予想される会社 1

表2は、いつも示している足元の為替レート(1ドル=95円台、1ユーロ=124円台)が来期も続くと想定した場合の来期の円安メリットと今期予想営業利益とを比較したものです。今週、来週にわたって、この中から業績変化率の大きな銘柄を選んで2014年3月期業績を試算してみます。円安メリットが大きい企業にはPERが割安な会社が多いことが分かると思います。

表2:自動車、電機等の主要企業の為替感応度

トヨタ自動車

トヨタ自動車は日本で最も円安メリットが大きい会社です。対ドルでは1円の円安で350~400億円の円安メリットが発生する計算になります。

重要な地域で上位シェアを持っており、日本、インドネシアで50%前後のトップシェア(グループのダイハツ、日野自動車を含む)であり、北米でも上位シェアです。2012年の乗用車世界生産ランキングでは首位となった模様です。

円安メリットだけでなく、毎期約3,000億円のコストダウン実施を目標にしています。また、今後3年間設備投資を抑えて、既存工場と設備の有効活用による粗利益改善を行おうとしています。

環境技術でも世界の先導役となっており、日本だけでなくアメリカでもハイブリットカーのラインナップを増やしています。アメリカでは、プリウスがカムリ、カローラと並ぶ売れ筋となりました。日本で昨年末日本で発売した新型クラウンは、JC08燃費で23.2km/L走るハイブリットバージョンが売れ筋となっており、今後は高性能ハイブリットを小型車から中型車に拡充すると思われます。

表3:トヨタ自動車の業績予想(試算)

富士重工業

乗用車の年間生産台数は約70万台と世界でも小さい部類に入る自動車メーカーですが、最も効率の良い自動車メーカーでもあります。安定性が高く、燃費が良く、高出力の水平対向エンジンと4輪駆動が売り物で、レガシー、インプレッサなどに熱心なファンが多い会社です。

生産と販売は日本とアメリカが中心で、モータリゼーションの起こっている国、地域にユニークな乗用車を提供しています。

昨年発売したインプレッサの新車は日米で人気で在庫不足でした。日本では危険回避装置「アイサイト」搭載車が約60%を占めています。日本では今年に入って在庫不足は無くなりましたが、アメリカでは今も在庫不足です。また、昨年11月に投入したフォレスターの新車は日本で人気車種となりました。年明けからアメリカに投入しています。

主力工場が日本にあるため、為替感応度はドルに対して1円の円安で65億円の円安メリットが発生する見込みです。来期営業利益は円安メリットと増産、販売増加の効果などで2,000億円前後に拡大すると思われます。

なお、航空機部門も持っており、ボーイング787向けに中央翼を生産しています。787は電池の不具合があったため運航停止が相次いでいますが、当社はボーイング向けに中央翼を生産し続けており、出荷と入金も現時点では滞っていない模様です。

表4:富士重工業の業績予想(試算)

村田製作所

電子部品専業では世界的な大手です。電圧制御のために各種電子機器で数多く使われているチップ積層セラミックコンデンサで世界シェア35~40%のトップ企業であり、特に超小型の「0402」では約70%のシェアを占めています。このほか、新世代通信規格LTEに使うSAWフィルタで40%、Wi-Fi無線モジュールで50%のいずれもトップシェアを持っています。

村田製作所は、スマートフォン向け電子部品の世界的大手であり、世界の主要なスマートフォンメーカーはほとんどが当社の顧客になっている模様です。来期はスマートフォン向けの伸び悩みが懸念されますが、中国から世界市場へ拡大しようとしている廉価版スマートフォン(いわゆる100ドルスマホ)にも、高級機同様高性能部品を搭載していること、100ドルスマホが普及すれば、その後アップルやサムスンの高級機種に乗り換える動きが期待されること、タブレットPCの普及や、2014年のWindows XPサポート停止を控えて、2013~2014年にパソコンの更新需要が見込まれることなどから、2014年3月期も10~15%増収が予想されます。

ドルに対して1円の円安で約30億円の円安メリットが発生しますが、海外メーカー向けの売上高が増えているため、この円安メリットは拡大する傾向にあります。

表5:村田製作所の業績予想(試算)

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