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今中能夫「楽天証券投資Weekly」
今中 能夫
楽天証券投資weekly セクター・投資テーマ編
毎週金曜日夕方掲載。楽天証券経済研究所チーフアナリスト 今中能夫の、今週1週間の国内株式市場の情報がつまった週刊レポートです。注目セクターと投資テーマに重点を置いて、相場と銘柄を…

今中能夫「楽天証券投資Weekly」

2012/11/30
今週から「楽天証券投資Weekly」を発行します。従来お送りしてきた「信用取引評価損益率コメント」「決算発表銘柄コメント」を発展的に統合したものです。
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楽天証券経済研究所所属のアナリスト今中能夫による今週1週間の国内株式市場の情報がつまった週刊レポートです。
今後の相場の見通し、決算発表情報、個別銘柄の短期株価見通しなどを分かりやすく解説しています。

マーケットコメント

11月26日の週の日経平均株価は、前週までの上昇から一転し、調整含みの展開となりました。26日月曜日は前週末よりも高く寄り付いたものの、自民党の安倍総裁の円安積極発言に端を発した円安と株高に修正が入る展開となりました。為替レートは安倍発言があった11月14日から11月23日まで対ドルで約4%、対ユーロで約6%減価し(円安になり)、これにつれて日経平均は、11月14日から11月26日までザラ場で9.6%上昇しました。即ち、日経平均は2週間弱で8,600円台から9,400円台に上昇しました。今週はさすがにスピード調整をしたと言ってよいでしょう。

一方チャートを見ると、日経平均はこれまで9,100~9,300円どころにあった上値抵抗線を突破しつつあります。この上値抵抗線は緩やかに上昇していますが、これを抜いて新たな局面入りするかどうかのところにきていることがグラフ1からわかります。ここでもみ合って調整十分となれば、堅調なファンダメンタルズを背景に一段高へ向けた波動形成が期待されます。

本欄でこれまで指摘したように、2013年3月期2Q決算は概ね堅調な決算でした。円安メリットの大きい自動車、特にトヨタ自動車、本田技研工業、富士重工業、これも円安メリットの大きい任天堂に注目したいと思います。

また、日立製作所と三菱重工業の火力発電所事業の経営統合のニュースに鑑み、火力発電所や再生エネルギー関連も物色されています。日立製作所と三菱重工業は、今回の選挙で脱原発の流れが固まると、原発事業減損の可能性が出てきます。しかし、このリスクの低いIHI(石炭火力用ボイラーの大手)、三菱商事、丸紅などの大手商社(LNG、燃料油、燃料用石炭の調達、ガスタービンや発電機の調達、建設の一括請負など)は、火力発電所関連として注目できると思われます。日本ではこれまで原発優先のエネルギー政策を採ってきた結果、効率の大変悪い老朽火力発電所が全国に数多くあります。これを更新増強することで、新たなビジネスが始まります。

また、再生エネルギーでは、太陽電池パネルの京セラ、メガソーラー事業のソフトバンクなどが注目されます。

楽天証券の信用取引評価損益率は、今週に入りマイナス3%台まで改善しました。そこから相場は調整に入っていますが、強気相場の中では、プラス圏内まで評価損益率が上昇することが多くなっています。個人投資家の投資余力は十分あると思われます。引き続き銘柄を探して投資する局面と思われます。

表1:マーケット指標

グラフ1 日経平均株価:日次

グラフ2 信用取引評価損益率と日経平均株価

マーケットスケジュール

12月3日の週のマーケットスケジュールを概観します。

日本では12月3日に、7-9月期の法人企業統計調査が公表されます。大企業から中小企業までの業績動向から景気の実勢を見ることができます。

アメリカでは、3日に11月のISM製造業景況指数、4日に同じく11月のISM非製造業景況指数が公表されます。また、4日にADP雇用統計、7日に雇用統計が公表されます。市場を動かす統計なので注意が必要です。

EUでは、6日にECB政策金利が発表されます。

アメリカは11月22日のサンクスギビングデイが終わりクリスマス商戦入りしました。新聞紙上で売上動向が報じられており、市場を動かしているため、注意が必要です。

特集:2013年3月期2Q決算のまとめ2 -任天堂、カプコン-

先週に続いて2013年3月期2Q決算のまとめを行いたいと思います。今週はゲームセクターです。

業績は各社まちまち

表2は、ゲーム各社の営業利益を見たものです。任天堂が赤字継続、ソニーゲーム部門は1Qの赤字から2Qは黒字転換しましたが、水準は低い状態です。他のゲーム専業各社、スクウェア・エニックス・ホールディングス、バンダイナムコホールディングスなどの業績はまちまちです。スクウェア・エニックスHは四半期ベースで3期連続の赤字になりました。オンライン版「ドラゴンクエストX」が思うように売れず、ソーシャルゲームでは補えませんでした。一方で、バンダイナムコHはソーシャルゲームが好調で、通期業績見通しを上方修正しています。

グリー、ディー・エヌ・エーの日本型ソーシャルゲーム2社は、利益の動きに差が出てきました。グリーが2012年1-3月期をピークに営業利益が減り続けており、7-9月期は前年同期比でも営業減益になりました。一方で、ディー・エヌ・エーは4-6月期よりも7-9月期の営業利益が増加しました。コアユーザーの平均月間課金額はグリーが5-10万円以上(推定)と高い一方で、ディー・エヌ・エーは推定で数万円に抑えていると思われますが、これが業績トレンドの違いになって表れた可能性があります。さすがにお金が続かなくなったり、飽きてきたユーザーが増えてきた可能性があります。

2Qまでの業績を見る限り、任天堂などの伝統的ゲーム会社の側は、低迷から脱していません。一方、グリーなどの日本型ソーシャルゲームは伸び悩んできました。

表2 ゲーム各社の営業利益

任天堂に新しい動き

10-12月期に入って国内市場に新しい動きが出てきました。11月8日発売の「とびだせ どうぶつの森」(3DS用、任天堂)が品切れとなる売れ行きになっています。30日金曜日のお昼の時点で、ビックカメラ、ヨドバシカメラ、ハピネットオンラインのオンライン販売では品切れで入荷待ちの状態です。ダウンロード版は店舗で買えますが、これも欠品になっている店舗があります。

「とびだせ どうぶつの森」は、11月25日までに国内でパッケージ版だけで110.7万本売れました(メディアクリエイト)。ダウンロード版を合わせると130~140万本以上売れていると思われます。現在週間で約20万本出荷されて売り切れており、このペースで年末まで出荷され、かつクリスマス需要を獲得することが出来れば、年末までにダウンロード版合わせて累計300万本以上売れると予想されます。息の長い定番名作ソフトになると思われます。

ちなみに、2005年11月に発売された前作の「おいでよ どうぶつの森」(DS)は国内で累計533万本、全世界で累計1,181万本売る大ヒットになりました(VGChartz)。「とびだせ どうぶつの森」もこれに匹敵するか、これを上回るヒットとなる可能性があります。

3DS市場が本格的に立ち上がるか

このように、DS時代並みに売れるソフトが3DSから出てきたことに注意したいと思います。新しいハードは発売後2年目からそのハードの特性をうまく生かした優良ソフトが出てきます。そして、新ハード発売後1~2年後から3~4年間ソフト市場は豊作期となります。3DS発売は2011年2月ですから、3DS用ソフトは豊作期に入り始めています。

また、3DSは通常版15,000円、LL版18,800円とハード価格が安く、ソフト価格も「とびだせ どうぶつの森」は4,800円、店頭では値引きされて4,200~4,300円です。日本型ソーシャルゲームは、ただで遊べると謳っていても、楽しもうと思えば月に1~2万円、場合によっては10万円以上かかります。遊びとしては異常に高額と言わざるをえません。ハードもソフトも安く、優良ソフトが数多く出始めた3DSに、一時期ソーシャルゲームで遊んでいたゲームユーザーが帰ってきている可能性があります。

このことは低年齢層ではかなり言えることではないかと思われます。ソーシャルゲームで高額課金されることを防ぐために、親が3DSを子供に進めている傾向がでているかもしれません。

3DSの成功はWii Uにつながるか

家庭用ゲーム市場に世代交代があるのに対して、ソーシャルゲームには世代交代がありません。ソーシャルゲームの側は世代交代がなく、多くの人が持っている携帯電話やスマートフォンを使ったゲームがこれから主流になると主張してきました。グリーやディー・エヌ・エーの業績を見ると、これまではこの意見が説得力を持っているように見えました。

しかし、会社側も驚く「どうぶつの森」の売れ行きを見ると、ゲームには世代交代が必要であると思われます。世代交代によってハードとソフトの全てを一新することで、前の時代に飽きたユーザーを刺激し、新しい面白さをユーザーに提供することができるのです。世代交代がないソーシャルゲームにはそれが出来ないか、困難と思われます。グリーやディー・エヌ・エーが、今のように限られた数十万人に対して高額課金する仕組みを止めて、より広いユーザー層に対して安く課金して収益をあげる仕組みに変えようとしても、世代交代がなく、全てを一新することが出来ない状況では、変えることが望ましいとわかっていても変えることは難しいと思われます。

3DS市場の立ち上がりがWii Uに結びつくかが今後の焦点です。Wii Uは11月18日に北米で発売されたのを皮切りに、11月30日に欧州とオーストラリア、12月8日に日本で発売される予定です。現在アメリカのトイザらスとウォールマートのオンラインショップではWii Uを買うことが出来ます。他のオンラインショップでは売り切れもありますが、現時点では爆発的人気とまでは言えません。今後1年以上かけてソフトが充実するのを待つ必要があります。

ただし、任天堂の業績はこれから上向く可能性が出ています。

まず、為替レートです。今期末の会社見通しが1ドル=80円、1ユーロ=100円なのに対して、足元は各々82円台、107円台です。特にハード、ソフト価格が円換算で上昇する効果が、損益に対して大きく寄与すると思われます。

次に3DS市場の好調が海外に波及する可能性です。欧米は携帯型ゲームよりも、据置型ゲームが優位ですが、スマートフォンでゲームをする人が増えており、ハードが安く優良ソフトが揃い始めている3DS市場が拡大する余地は大きいと思われます。

また、ソニー、マイクロソフトはまだ次世代機を発表していません。果たして次世代機を出すのかどうかもわかりません。Wii Uの売れ行き次第と思われますが、今のところは、目新しさをユーザーにアピールできるのは任天堂だけです。例えばソニーは自社製ソフトのラインナップが揃っておらず、次世代機市場ではシェアを落とす可能性があります。その場合、WiiやPS3®、Xbox360時代、あるいはDS時代に比べて、3DSとWii Uの時代のピークは低くなると思われますが、任天堂のシェアは上昇する可能性があります。

このように、ゲームの世界の変化が年末商戦に入って見ることが出来るようになりました。この変化が各社の業績と株価に与えるインパクトを注視したいと思います。

 

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