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今中能夫「楽天証券投資Weekly」
今中 能夫
楽天証券投資weekly セクター・投資テーマ編
毎週金曜日夕方掲載。楽天証券経済研究所チーフアナリスト 今中能夫の、今週1週間の国内株式市場の情報がつまった週刊レポートです。注目セクターと投資テーマに重点を置いて、相場と銘柄を…

今中能夫「楽天証券投資Weekly」

2012/10/26
今週から「楽天証券投資Weekly」を発行します。従来お送りしてきた「信用取引評価損益率コメント」「決算発表銘柄コメント」を発展的に統合したものです。
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楽天証券経済研究所所属のアナリスト今中能夫による今週1週間の国内株式市場の情報がつまった週刊レポートです。
今後の相場の見通し、決算発表情報、個別銘柄の短期株価見通しなどを分かりやすく解説しています。

マーケットコメント

10月22日の週の日経平均株価は、9,000円を挟んで堅調に推移しました。10月19日に続き、23日もNYダウがアメリカ企業の業績懸念から大幅に下げましたが、日経平均への影響は小幅に止まりました。ただし、日銀が30日の金融政策決定会合において追加金融緩和を行うと25日に報じられましたが、26日前場から後場にかけての日経平均株価は軟化しています。

個別銘柄を見ると、11月から新型ゲーム機が発売されることを受けて、任天堂が買われました。割安感からグリーなど日本柄ソーシャル関連も買われました。村田製作所、京セラ、TDK、日本電産などの大手電子部品メーカー、トヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車、富士重工業、デンソー、アイシン精機などの自動車メーカー、自動車部品メーカーも堅調でした。ただし、尖閣紛争に伴う日中関係冷却の長期化、中国の景気減速がアセアン諸国に波及し始めていることなどから、上値は限られたものになりました。

一方、信用取引評価損益率を見ると、需給の改善を見ることができます。楽天証券の信用取引評価損益率は、日経平均がその前後に直近底値をつけた10月12日のマイナス12.45%から相場の上昇に合わせて回復しており、10月23日にはマイナス7.30%になりました。25日もマイナス8.15%と一桁の数値になっています。また、楽天証券の信用買い残は、直近ピークの4月24日から10月25日まで19%減少しました。個人投資家の買い余力は増えてきたと思われます。日銀の金融緩和姿勢継続が本当だとして、10月29日の週に本格発表される日本企業の2013年3月期2Q決算が大きく崩れないのであれば、日経平均はもう一段高があってもよいと思われます。

表1:マーケット指標

グラフ1 日経平均株価:日次

グラフ2 信用取引評価損益率と日経平均株価

マーケットスケジュール

10月29日の週のマーケットスケジュールを概観します。

日本では、29日に9月の大型小売店販売額、小売店販売額が公表されます。

30日には日本銀行の金融政策決定会合が開催されます。既に報じられているように、追加金融緩和を行うと見られています。9月の鉱工業生産も公表されます。

11月2日には、10月のマネタリーベース、10月4、5日分の金融政策決定会合議事要旨が公表されます。

アメリカでは、29日に9月の個人所得・支出が公表されます。

30日には、8月のS&Pケース・シラー住宅価格指数が公表されます。31日は10月のADP雇用統計、10月のユーロ圏消費者物価指数・速報が公表されます。

11月1日は、10月の米ISM製造業景況指数、2日は、10月米雇用統計、9月米製造業新規受注が公表されます。

日本では、10月30日の日銀金融政策決定会合以外では、9月の大型小売店販売額、9月の鉱工業生産、10月のマネタリーベースが重要になります。日本経済の足元の状況、特に尖閣紛争の影響がある程度確認できると思われます。

アメリカは、8月のS&Pケース・シラー住宅価格指数、10月のADP雇用統計、10月の米ISM製造業景況指数、10月の米雇用統計、9月の米製造業新規受注と、重要統計の好評が続きます。また、10月のユーロ圏消費者物価指数・速報もユーロ圏の経済状況を見る上で重要な指標です。

29日の週も、相場が動く要素が多い週になりそうです。

特集:2013年3月期2Q決算速報 1

前回書いたように、10月22日の週から主要企業の2013年3月期2Q(7-9月期)決算が始まりました。ここでは、22日の週に発表された決算から重要なものについてコメントします。

KDDI

ソフトバンクが大型買収を発表してから、日本の通信セクターの動きが重要になっています。通信セクターではKDDIが最初に決算発表しましたが、2Q決算は良好でした。2Qは売上高8,789億円(前年比0.1%増)、営業利益1,370億円(8.2%増)と、1Qの営業利益942億円(32.7%減)から増益転換しました。iPhone 5中心に携帯電話事業が好調でした。下期は、iPad、iPad miniの販売を開始すると思われます。また、CATVで大型買収を行うことを決定しました。CATV国内1位の地位を確かなものにします。会社側によれば、来期に営業利益で約600億円の増益要因になります。

今のトレンドが続けば、通期の会社予想営業利益5,000億円(4.7%増)は達成できると思われます。予想PERは9倍台であり、株価には割安感があると思われます。

ダイハツ

自動車セクターは、今回の決算シーズンで最重要セクターです。自動車セクター自体の巨大さもさることながら、素材、部品、アフターマーケット、更には経済全体と雇用に対する波及効果が大きいセクターです。

乗用車メーカーではダイハツが最初に決算発表しました。トヨタ自動車の連結子会社で、国内では軽自動車、海外では1,000CCクラスの小型車の生産、販売を担当しています。2Qは売上高4,141億円(前年比8.5%増)、営業利益359億円(44.8%増)でした。1Qの売上高4,486億円(36.1%増)、営業利益378億円(119.1%増)に比べ鈍化しましたが、なお高水準の業績でした。日本では、昨年の大震災の影響がなくなったことと、エコカー補助金のプラス効果がありました。海外では、インドネシアとマレーシアでの現地生産と販売が好調でした。

下期は、3Qに国内のエコカー補助金終了などによるかなり厳しい調整を想定していますが、足元の状況を見る限り、会社想定のような大きな落ち込みは無い可能性があります(会社予想では、軽自動車の国内市場が上期98万台、下期82万台となる見通し)。今の会社予想PERは8倍前後です。

日野自動車

日野自動車もトヨタ自動車の連結対象子会社で、商用車の担当です。2Qは売上高3,733億円(前年比8.8%増)、営業利益145億円(40.8%増)でした。1Qの売上高3721億円(60.0%増)、営業利益152億円(3.3倍)に続き、国内は復興需要、海外は、インドネシア、タイを中心としたアジア向けが好調でした。中国経済の減速に伴い、インドネシアの中国向け石炭在庫が増加しており、これがインドネシアの鉱山用トラック、鉱山機械用エンジンの需要にネガティブな影響を与えていますが、輸送用トラックの増加で補っています。

上期の業績好調を受けて、会社側は通期業績見通しを、売上高1兆4,800億円→1兆4,800億円(前年比12.6%増)、営業利益470億円→530億円(41.2%増)に上方修正しました。予想PERは9倍台です。

任天堂

任天堂は1Qの売上高848億円(前年比9.7%減)、営業赤字103億円(前1Qは377億円の赤字)から、2Qの売上高1,161億円(4.7%減)、営業赤字188億円(前2Qは196億円の赤字)へ、今1Qから赤字が拡大しました。3DSハード、ソフトの販売は拡大基調ですが、上期のヒットは、3DS用で「New スーパーマリオブラザーズ 2」325万本、3DSと連動しているDS用「ポケットモンスターブラック2・ホワイト2」426万本、Wii用「マリオパーティ9」125万本に止まりました。3DS市場が本格拡大している割には、ミリオンセラーが少ない結果になりました。円高デメリットがあったほか、11月から米欧日と順次発売する「Wii U」のハード価格と計画数量(ハード550万台、ソフト2,400万本)が決まったため、前倒しでハードの損失を計上しました。

上期の業績を見て会社側は通期見通しを下方修正しました。2013年3月期は、売上高8,200億円→8,100億円(前年比25.1%増)、営業利益350億円→200億円(前期は373億円の赤字)となる見通しです。

Wii Uの予約状況は、特に北米で好調の模様です。初回供給分は既に予約で埋まっている模様です。業績は下方修正されましたが、3DSとWii Uは、ソフト需要がこれまでの会社予想よりも多くなりそうです。Wii Uの売れ行きについて、クリスマス商戦には不安はないと思われます。

ただし、年明け後の持続性については、現時点ではある程度慎重に見ておいたほうがよいと思われます。任天堂は年内発売の任天堂製Wii Uソフトを「ニンテンドーランド」「Newスーパーマリオブラザーズ U」の2作のみに絞り、年明け後に順次他の任天堂製ソフトを発売する予定です。従ってクリスマス商戦はサードパーティ製ソフトが多くなりますが、タイトルを見る限りほとんど期待できないと思われます。3DSでは発売初期に任天堂製ソフトで大きく盛り上げなければならないところをサードパーティに譲って大失敗しました。Wii Uの価格はある程度こなれたものになりましたが、ソフト政策には不安があります。

表2 主要企業の2013年3月期2Q決算発表予定日

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