確定拠出年金は半強制的投資経験獲得の機会。ぜひ加入を
最後に「会社内でやる投資」として確定拠出年金の話をします。新社会人が会社の説明会などで「確定拠出年金に入るか、入らないか決めるように」と言われたら、必ず加入すべきと思います。
確定拠出年金は会社の退職金制度の一部を、自己責任で運用するものです。一定額が専用口座に入金され、ネット証券で売買するような感覚で、運用の指図が出せます。運用でうまく増えた場合も減った場合も、自分の判断結果が自分の将来の受取額を決める仕組みです。
もし加入しない場合、積み立てられる掛金相当額を現金でもらえることになります。一見すると損得がないように思いますが、税金や社会保険料が引かれますので、おおむね10~15%以上引かれてしまいます。確定拠出年金の中で入金しておくと税金は一切かからず満額が投資に回ります。これはつまり、確定拠出年金に加入した段階で10~15%得と言い換えることもできます。
また、10~15%引かれたお金を運用して増やしたとき、利息や運用益には20%課税されてしまいます。しかし、確定拠出年金の中で運用を行った場合、利益に税金が一切かかりません。これも繰り返すと大きな差です。
確定拠出年金を老後に受け取るときは退職金みなしで非課税枠が利用できるため、入り口から出口まで非課税で運用できるチャンスがあります。ここまで考えれば利用しない手はありません。
しかも、投資経験を初めて積む人のために、確定拠出年金には2つのメリットがあります。
- 1つはセールストーク抜きの投資教育を受けるチャンスがあることです。金融機関の講師であっても、セールストークは禁止されており、教育部分のみをしっかり吸収できます。
- 2つは有利な金融商品がたくさんあることです。一般には販売されていないような有利な条件の投資信託(特に手数料が割安なことが多い)で投資をスタートすることができるのです。
(※条件は各企業によって異なる。割安の投資信託を用意していないこともある)
確定拠出年金の説明については、新入社員研修のごく一部の時間しか割かれないことが多く、決断も数日中に迫られることもあるため「よく分からないので、入らないことにしよう」という人がいます。しかし、有利な条件で投資デビューできるチャンスを見過ごしてしまうことになりますし、ひいては老後のための資産形成が途絶する恐れもあります。
選択肢がある場合は、ぜひ加入してみてください。
新社会人こそ「証券口座」開設を
少額で経験を積む
新社会人のための証券口座開設のヒントをいくつか紹介してみました。「なんとなく投資」どころか「なんとなく社会人」をするのでは、人生もったいなさすぎです。ぜひ証券口座開設を目指してみてください。