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投資資金を増やしていくステップでメンタルと戦術をどう変えるか
山崎 俊輔
なんとなくから卒業!実践・資産形成術
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投資資金を増やしていくステップでメンタルと戦術をどう変えるか

2014/2/18
最初は数万円から数十万円の軍資金を手にスタートするリスク資産運用も、徐々に投資資金が増えていくことになるでしょう(減っていく人は投資の世界から身を引くので、継続する投資家は基本的に資産が増えていく)。
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投資資金が増えていくに従いメンタルと戦術を変えていく

最初は数万円から数十万円の軍資金を手にスタートするリスク資産運用も、徐々に投資資金が増えていくことになるでしょう(減っていく人は投資の世界から身を引くので、継続する投資家は基本的に資産が増えていく)。ところが、資産額に応じて投資家自身が変わっていかなければならない部分について、あまりレクチャーしてくれる情報がありません。特に好奇心から「なんとなく」で投資をスタートした少額投資家のステップアップについてはなかなかいい解説が見当たりません。

最初はちょっとした投機気分で始めることもありますが、いつまでも同じマインドでは困ります。投資金額の上昇に従い、投資に対峙するメンタルを修正していく必要があるのです。また、実際の投資方針も変更を考えていく必要があります。そこで、金額が増えていくに従い、どう発想転換していくか、3つのステージで考えてみたいと思います。

具体的には、投資スタートの段階である「100万円以下」、普通の投資家の多くが該当すると思われる「1000万円以下」、老後資産形成として十分な金額を目指す「3000万円以下」、3段階で考えてみます。3000万円を超えてなんとなく投資をしていては困りますが、おそらくほとんどは自分なりの投資スタンスを持っていることと思いますので、ここでは割愛します。

では、少し考えてみましょう。

ステージ1)投資資金を100万円まで増やす

投資初心者にとっていきなり100万円以下で売買開始することは現実的選択でしょう。リスク資産の価格変動、特に元本割れに不慣れなあいだは高額の資産保有を行うべきではないからです。むしろ、100万円まで資産を成長させる過程で、リスク資産との付き合い方を学んでいくことがこのステージでの重要なテーマとなります。

メンタル的注意点

投資金額が少額のあいだに、「投資家の心理」に慣れておくことが重要です。初めて株式投資を行えば、売る予定がなくても証券会社のツールにログインしたり、ブラウザでヤフーファイナンス等のページをリロードしては、価格変動に一喜一憂することになります。これは恥ずかしいことではなく当然です。

ハツカノ(初めての彼女)ができたとき、メール着信を何度もリロードするのにも似ており、「投資しているという自分に慣れていく」しかありません。10%程度の下落であればオタオタせず投資を続けられるようなメンタルを養っておくことが、このステージでは重要で、そうしたタフな投資家マインドを持つことは投資金額が増えた以降とても役立ちます。

投資戦略の注意点

投資金額は大きくないため、よほどの高成長がなければ資産額そのものを増やすことは難しいでしょう。仮に30万円の投資資金だった場合、これを100万円まで成長させるには、税・売買手数料を除いて10%の運用益を得続けたとしても13連勝を必要とし、それは簡単ではありません。

特に投資資金が少額であるあいだと、マーケットが大きく動かない時期については、追加の資金投入を大事にしたいところです。運用で過度なリスクを取るくらいなら、投資経験を積みながら毎月1万円、あるいはボーナスごとに5万円程度の追加資金を入れていくほうが資産の成長を確実に早めてくれます。

投資商品については、いろいろ試してみるといいでしょう。むしろ少額のうちに現物株式、投資信託、ETFの投資経験を積んでおくと、資産成長後の投資方針が見えてきます。

ステージ2)投資資金を1000万円まで増やす

ステージ2は、「年収より少ない投資額」を「年収以上の投資額」に育て上げる重要なステージです。投資期間としてはここに長くとどまる人も多いのですが、その理由のひとつには資金ニーズが生じて解約したり、達成感による「ご褒美解約」をしてしまうことがあげられます。ここを早く乗り越えステージ3に入ることを意識して投資をしたいところです。

メンタル的注意点

具体的な資金ニーズを意識することが必要な時期に来ています。資産をなんとなく取り崩さないためにも、「住宅購入の頭金として○○万円は確保したい」とか「老後のために解約している場合ではない」というようなイメージがないと、1000万円を超える資産形成はなんとなく実現できません。住宅購入資金や子どもの入学金のようにはっきりした資金ニーズのための解約は問題ありませんが、「うまく儲かったのでご褒美消費」のような取り崩しの誘惑が高まってくるところについては、メンタル的に乗り越えていきたいところです。

投資期間が長くなってくると、何度か市場の騰落を経験することになります。特に下落基調の時期に「保有資産は値下がりしているが、市場の回復を待ってキープ。むしろ新規資金を投入して安値仕込みを行う」というような投資メンタルを持てるようになればうまい塩梅です。なんとなく投資家から長期投資家として脱皮したといえます。

投資戦略の注意点

金額的にはたいていの投資商品をターゲットにできるようになり、楽しみが増えてくる時期ですが、国内株の物色だけで資産のすべてを投資するにはもったいないステージに来ています。複数の投資商品を保有して自分なりの分散投資を考える時期に来ています。「7:3」とか「6:4」というようなざっくりした配分でもいいので、株式投資比率や海外投資比率はコントロールしていきます。こうした資産配分を考えることは、部分的な利益確定や部分的に安値仕込みを考えていくリバランスを行う判断基準としても生きてきます。

金額ベースで100万円を超えてきたら、ETFを活用して「マーケットそのものを買う」ような投資も組み入れていきましょう。特定の銘柄をいくつも選んで単位株で買い揃えていく投資もいいのですが、マーケットそのものを投資対象に据えた値動きをポートフォリオに組み入れていくタイミングです。

特に500万円を超えてきたあたりから、リターンの獲得よりも大きな元本割れの発生に気をつかう投資を考えたいところ。特定の投資対象や銘柄に資金集中させる運用管理から卒業を考えていくといいでしょう。逆にいえば、お試しでいろんな投資対象の経験を積むのは今のうち、ともいえます。

ステージ3)投資資金を3000万円まで増やす

老後資産として欲しい金額は現在レートで3000万円です(退職金含む。今後のインフレ時には増額が必要)。1000万円を超えて以降、注意しなければならないのは気の緩みです。日常の生活感からすれば、年収を上回る資産を有していることになりますが、定年退職後の生活に余裕を作っていくためにはここで手を緩めてはいけません。子どもの学費や住宅ローンの繰り上げ返済に取り崩すことで、資産が半減することもあります。まだ増やす、という意識を持ってください。

メンタル的注意点

資金額が増えてきており、同じ率の騰落でも、実額ベースでは大きな動きが生じます。100万円の投資のマイナス10%なら10万円の損失ですが、1000万円の投資なら100万円に相当します。ここまでのステージで養ったタフな投資メンタルがあれば、相場の短期的な下落基調で大きく下落したときにあわてることはないでしょうが、数%の価格変動に一喜一憂する必要はないステージで投資をしている、という意識を持ちましょう。

一方で、投資に対して無頓着になる恐れがあるのもこのステージの注意点です。毎日マーケットを見なくても投資を続けられるマインドは、投資無関心と紙一重です。ほったらかしになって、気がついたら大きな騰落を看過していた、ということのないようにほどほどの緊張感を持ち続けることが望まれます。

年金生活に入ったなどの理由で、マーケットと毎日対峙する投資を避けたいのであれば、期待リターンを低くする投資戦略にシフトすることで、メンタルの負担を軽減することもできます。

投資戦略の注意点

100万円以下のステージ1においては、資産形成において高い利回りを得ても大きく資産が増えないと指摘しましたが、1000万円を超えてくるとまた異なるステージになります。1000万円の1%の値動きが10万円に相当するなど、追加拠出額より運用益による資産の増額のほうが上回ることが増えてきます。また、高額の資産を保有する時期には定年が近づいていたりリスク許容度も低くなり、退職後は新しい資金追加は難しくなります。

これは逆にいえば、下落時のリスク管理に投資戦略の重きを置く必要があるということです。投資資金の価格下落が生じると数カ月程度の追加拠出では補いきれない資産価値下落につながります。資産を増やすために期待リターンを高める投資戦略をとるステージは終わり、リスクを抑えた投資戦略に切り替えていく必要があるわけです。10兆円以上を預かる機関投資家である企業年金連合会は、必要な資金額を確保したら投資のリスクウエートを低下させていく運用方針を持っていますが、個人も十分な資産確保に至ったら徐々にリスクを落としていくことをオススメします。

全額を預貯金にする必要はありませんし、インフレヘッジの観点からもリスク商品の保有は現実的選択です。投資とはつきあい続けながらも、金額は控えていくといいでしょう。

投資を続けることで、自分が変化していくことも投資のおもしろさです。投資金額が増えるに従い、自分自身も大きく成長していけるといいですね。

投資のステージに合わせて成長しよう

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