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「毎月5万円で1億円貯まる」の計算を正しく理解する
山崎 俊輔
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「毎月5万円で1億円貯まる」の計算を正しく理解する

2013/11/7
「毎月5万円で1億円」をキャッチフレーズに広告宣伝を行っていた投資助言業者が実態としては投資商品の販売を行っていたとして、行政処分を受けたのは多くの読者がご存知のことでしょう。
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「毎月5万円で1億円」をキャッチフレーズに広告宣伝を行っていた投資助言業者が実態としては投資商品の販売を行っていたとして、最近行政処分を受けたのは多くの読者がご存知のことでしょう。実態としては特定の商品を販売していたのであれば、投資助言として適当であったか疑問符がつく事案でしたが、ひとつ残念なことは「毎月5万円で1億円」もウソだと多くの人に印象づけてしまったことです。

実は毎月5万円で1億円、はウソとはいえないのです。一度、この問題を正しく理解しておくと、「複利効果」による「積立×長期投資」の価値がきわめて大きいことがわかります。また、普通の人が投資を行うアプローチが見えてきます。まさに「なんとなく投資」から脱出するヒントが秘められているわけです。

一見すると、ウソのように見える計算式の真実を考えて見ましょう。

複利効果は、ぱっと見では計算ミスに見えるほど大きい

資産運用において、個人が活用を意識すべきテクニックがいくつかありますが、複利効果は確実に効果を見出しやすい投資効果のひとつです。複利効果はひらたくいえば「運用益を受け取らず再投資する」投資方法のことで、よく例えられるのは雪だるま作りです。小さな雪球を転がしたとき、1周目よりも2週目、2週目より3週目のほうが雪がたくさんつき、気がつけばひとりでは動かせないほど大きくなります。

運用益をその都度受け取ってしまう投資方法を単利、再投資する方法を複利といいますが、仮に4%の利回りで100万円を5年投資をしたと仮定した下記の図をみれば、その違いはすぐわかります。

複利効果を正しく理解しよう

単利のほうは元本のみ運用が継続し、運用益はそのつど受け取ったとして累計額を示していますが、毎年4万円ずつ利息を受け取りますので、5年後には20万円の利益と直線的に資産が増えていきました。

複利のほうは元利合計が翌年の運用に回されることで、2年目以降の残高が単利より増えていることがわかります。2年目ですでに1,600円の違いが生じたのは「再投資の有無」の違いで生じたものです。5年目の終わりには16,653円もの差がついています。

繰り返しますが、この違いは「運用成績」によってではなく、「運用益の取り扱い」ひとつで生じているわけです。これはつまり、収益分配金を何度も受け取る、あるいは高率の分配を掲げる投資方法より、分配を主眼としない投資方針を掲げているか再投資を行ったほうが長期的な資産形成としては有利であることを意味しています。

さらにこの期間を長くとるほど、単利と複利の資産額には開きが出てきます。ほとんど計算間違いを疑うレベルで差がつき、40年後には単利260万円に対し、複利運用の結果は480万円まで拡大します。元本が100万円と思えば単利運用の結果も十分に思えますが、複利の効果は絶大といえます。まさに雪だるま式です。

複利効果を極大化する方法は「長期運用」「高額の初期元本」「高利回り」

さて、複利効果がどのようなケースで極大化できるか考えてみると、活用のポイントが見えてきます。具体的には3つの方法が考えられます。

まず、初期元本が高額であるほど、複利効果は生じやすくなります。初期元本を大きく取れない場合には、定期拠出を行うことにより複利効果を強くすることもできます。投資において初期元本を大きく取れない場合は、毎月数万円程度であっても、追加拠出を行うことが複利効果の投資効率を高めます。

第2に運用利回りが高いほど、複利効果は大きくなります。これは通常の運用でも当然追及すべきテーマですが、複利効果においても大きな差をもたらします。毎月5万円の積み立てを仮定し、40年の運用を設定します。年利0%つまり元本累計が2,400万円の積みあがりになりますが、年3%の利回りが複利でつけば4,630万円、年5%の利回りが複利でつけば7,630万円、年7%の利回りが1億3124万円と大きく膨らみます。

期待リターンの過剰な追求はリスクも高めますので、大きく元本割れするリスクを抑えた分散投資も組み入れる必要がありますが、高い利回りは複利効果を大きくする効果があるのは間違いありません。1億円は貯められる、は理論的にはウソではないわけです。

第3に運用期間を長く取ることです。複利効果のカーブは上向きにぐっと高まりますが、年月を経るごとに上向きの度合いも強くなっていきます。逆に短期では複利効果はあまり享受できません。たとえば、毎月4万円の積み立てを10年行うケースと、毎月1万円の積み立てを40年行うケースとを比較すると(どちらも同じ年利4%とする)、どちらも元本は480万円ながら、10年コースで589万円のところ、40年コースの最終受取額は1,182万円と大きく差がつきます。この差は「時間」の価値が出たわけです。

できれば20年以上の期間を考えたく、その点でも若い世代が採用したい投資手法といえるわけです。

複利効果は「誰でも」得られるところにメリット

さて、複利効果のよいところは「誰でも」得られるところにあります。ただ再投資を行い続ければ、自動的に効果が生じるからです。効果そのものに、プロやアマの区別はなく、等しく複利効果は生じます。しかし、複利効果を高めたいとすれば、自ずと運用方針が見えてきます。

投資元本をいきなり高額用意することは大変です。また高利回りを狙いすぎるとリスクが高まり、大きく資産がマイナスになる恐れもあります。投資の知識や技術も必要になってくるでしょう。かといって、定期預金では複利効果もあまり出てきません。

「長期投資」による複利効果の享受は、誰でも得ることができ、むしろ運用の期限がしばしば生じ、仕事として投資をしているプロよりアマのほうが得やすい部分です。投資の世界に早く足を踏み入れ、無理のない範囲で投資を続け、可能な限り追加拠出も行い、得られた運用益は取り崩さず将来に再投資をしていけばいいわけです。

長期投資の重要性はよく語られます。相場の騰落を乗り越えて資産を増やしていくためにも長期投資は心がけたいのですが、前提として見逃せないのは複利効果が生じることでもあるのです。

行政指導を受けた一部の業者によって、投資の重要な要素である「複利効果」まで疑われてしまったとしたら、それはとてももったいないことです。今回の記事を読んだことで、再投資を前提とした投資方法、複利効果を投資方針に組み入れていくきっかけになればと思います。

複利効果を最大化する3つの方法を活かす

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