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結婚後の運用方針はいかにあるべきか
山崎 俊輔
なんとなくから卒業!実践・資産形成術
誰にとっても重要で大切な「年金」と「老後資金準備」について、「漠然とした不安」から卒業しよう! これからの人生のマネープランを、主体的にかつ前向きに組み立てるためのヒントを、ファ…

結婚後の運用方針はいかにあるべきか

2013/6/19
今月は2回に分けて「結婚と投資」について考えています。前回は結婚するとき、投資をしていることをどうカミングアウトすべきかお話しました。今回は「結婚後」について考えてみます。結婚後の運用計画はどう考えていけばいいでしょうか。
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今月は2回に分けて「結婚と投資」について考えています。前回は結婚するとき、投資をしていることをどうカミングアウトすべきかお話ししました。結婚に際して投資について隠しておくことは不利益が大きいこと、投資について配偶者に説明することは「なんとなく」ではなく「計画性のある資産形成」として投資を位置づけるために役立つことを説明してみました。

今回は「結婚後」について考えてみます。結婚後の運用計画はどう考えていけばいいでしょうか。

家庭でのトータルリスクを意識し、管理する

一般的には、夫婦のどちらかがリスク資産の運用について主導権を握ると思います。投資への興味はどちらか片方だけ持っていることが多いですし、証券口座もどちらかの名義で開設しなければなりませんので(夫婦の共同名義の口座があってもいいのでは!)、アクセスし売買するのもどちらか片方、ということになるからです。

しかし、配偶者に何も断りなく売買判断をすることはあまり好ましくありません。ふたりの共同管理されるべき資産の運用を委託されるわけですから、プランスポンサーの理解と納得のもとで運用は行われなければなりません。企業年金運用において、年金基金のオーダーを外れて、運用機関が勝手な投資判断を行えないのと同様です。

具体的には、何らかの投資ルールを設けておき、その範囲内では投資の具体的判断を任されるような線引きを作っておくことです。「保有していいリスク資産は資産全体の3分の1を超えない範囲(2013年4月現在では300万円以内)」というような判断であったり「投資のベースは投資信託におき、ひんぱんな売買は行わない。自由な売買を行う現物株式の売買は投資金額の半分を上回らない範囲とする」「レバレッジをかけた投資は不可(あるいは一定金額まで)」といったルールを投資を主体的に行う側が提示し、配偶者の了承を得ておいたほうが、あとあとラクになります。

一見すると投資の制約を課せられるように思えますが、結婚後の投資は一定の制約下で行うほうが、あとあとのトラブル回避にもつながります。完全に一任された場合、儲かっているうちは誉められますが、失敗すると途端に評価は暗転し、市場の下落まで個人の責任に転嫁されてしまうでしょう。

また、夫婦で資産全体のリスク管理を行う視点も必要です。たとえば「妻名義の預貯金が500万円あり、夫名義の預貯金が100万円、株式投資(投資信託含む)が500万円ある」というようなざっくりとした把握でもいいので、認識しておくと全体でのリスク度合いが分かります。ここにおいては、資産管理の観点で、リスクマネー以外も意識したトータルリスク管理の観点が重要です。

全体としての資産額と、投資額のバランスが分かっていれば、仮に明日リーマンショックが再来して、リスク資産の時価がマイナス20%になったとしても、資産全体でいえば、1,100万円が1,000万円になる程度、というように理解できます。

定期的な「家庭内運用報告会」を実施

読者の中には、独立系投資信託のファンで、運用報告会に出かける人もいることでしょう。もし、投資信託会社は積極的に受益者とコミュニケーションを図るべきだと考えているのなら、あなたもコミュニケーションを図るべき相手がいます。配偶者です。

夫婦の財産について、リスク資産運用をあなたが行っているなら、配偶者は受益者のひとりということになります(自分自身も、自分の運用の受益者です!)。やはり定期的に家庭内運用報告会を開催することが必要です。

ここでは預貯金の増減も含めて運用報告会を行うことがポイントです。それぞれの預貯金の増減、投資資金の増減を簡単に表にまとめて、前年末などと比較して確認をします。年に1回あれば十分だと思いますので、12月末か3月末を締め日にするといいでしょう。3月末にすると、企業年金連合会の市場動向レポートなどが閲覧でき便利かもしれません。

個人の資産形成については、運用の騰落状況の把握はもちろんですが、追加資金の増加をチェックする視点が重要です。積立の定期預金や積立の投資信託などへ拠出が行われた残高の推移を確認します。夫婦の年収から年間15~20%の追加拠出が行えると、過度のリスクを取らなくても十分な資産形成のペースが確保できるはずです。

もちろん、リスク資産を運用している報告者は、その騰落の要因を配偶者に説明できなければなりません。騰落の要因を、インデックスの騰落によるのか、自身の運用の巧拙によるのか説明することは苦労(特に負けているとき)を伴いますが、「なんとなく運用」を続けないためにも重要です。

インデックスベースで大きく市場が高騰しているとき、あたかも自分の実績であるかのように振る舞うのは、投資の素人の発想です。また、インデックスをアウトパフォームしたとしても、自身の能力だと強調するよりラッキーだったと謙虚に報告するくらいがいいでしょう。逆に、運用がアンダーパフォームしたときは受益者である配偶者に責められることになります。この場合はインデックスの騰落率について説明し、投資結果が才覚だけによらないことを理解してもらいましょう。投信会社が説明に苦労していることが実感できることでしょう。

夫婦ともにリスク運用をする場合の注意点

もし、夫婦それぞれが資産運用を行う場合はどうすればいいでしょうか。今はまだ少ない事例だと思いますが、将来的にはこうしたケースは増えてくるものと思われます。

ひとつは確定拠出年金やNISA(日本版ISA)のように、夫婦で合算することができない運用口座を持っている場合です。会社が採用している企業年金制度が確定拠出年金であるか、個人型の確定拠出年金を使って資産形成を行う場合、口座を分けるメリットより税制優遇のほうが勝りますから、別々に運用を行うことになります。NISAも個人の名義で税制優遇を得るため、個人口座として管理されます。

この場合、お互いに運用方針に口を出すよりは、互いの運用方針を予め話し合うなどしてコンセンサスを作って、詳細は互いに任せたほうがベターでしょう。

ただし、少額の投資口座を2つもち、互いに自由に投資をしている状態はあまり効率的とはいえません。企業年金や公的年金の運用でも、運用を委託したA投資顧問とB投資顧問が、それぞれ「C社を売り」「C社を買い」と判断していたとすれば手数料を重複して支払うことになり、運用効率が悪くなる問題があります(アクティブな運用方針で委託すればどうしてもありうる)。個人の家庭においても「夫はD社株を見込みなしとして売る」「妻はD社株を割安として買う」という状況になれば、これは税制面でも手数料面でも不効率です。「夫がホールド」でいいわけです。

また、合算すれば日本株のETFを買えるのに、口座を分けたためそれぞれがインデックスファンドを買うのも手数料の効率の面から考えてあまりうまくありません。

こうしたミスを回避する方法は、インデックスベースで売買回転率の低い中長期投資を行うことでしょうか。あるいは売買頻度の高い投資はどちらかが中心に行い、もう片方はインデックス運用を行う方法などが考えられます。

夫婦でパフォーマンスを競い合うような運用が、中長期的に好ましいものとは思えませんので、変な競争にならないよう注意しましょう。

結婚後もむしろ投資したい

結婚したら投資を辞めるべきか、と聞かれればこれは明確にNOと回答できます。むしろ資産形成にリスク資産の力を用いる必要性が増大するからです。一方で、将来的には必要な資金額も増大しますので、気まぐれに現物株を売買するような投資は卒業し、リスク管理を行いつつ、資産の上積みも図っていかなければなりません。

結婚後も投資と関わり続けていく最短ルートは、夫婦間でのコミュニケーションです。運用会社が受託を継続するために重要なのは、運用実績だけではありません。むしろ、委託者とのコミュニケーションスキルのほうが重要だったりします。配偶者ともしっかりコミュニケーションを取りつつ、運用の力を夫婦の金銭的課題の解決に役立ててみてください。

結婚後の運用方法は

家庭内運用報告会

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