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投資経験が浅い人にとってのレバレッジの注意点
山崎 俊輔
なんとなくから卒業!実践・資産形成術
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投資経験が浅い人にとってのレバレッジの注意点

2017/6/2
先日、「自分は投資経験がそれなりにあるが、iDeCoは魅力を感じないので口座開設するつもりがない」という意見を聞きました。
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レバレッジをかけるか? 投資初心者ほど悩ましい問題

投資経験を少し蓄えてくると、信用取引に目が行きます。買って売る、しか選択肢がなかった投資に売りから入れる選択肢が加わることと、レバレッジがかけられ投資資金の3.3倍まで買い付けできることが魅力に思えてきます。信用取引を行うのは投資のステップアップと考えている人も多いことでしょう。

為替取引からリスク運用の初経験を踏む人も最近では増えていますが、こちらは25倍のレバレッジをかけることが標準的です。楽天証券では1倍や10倍といった低い倍率設定も可能ですが、多くの人は25倍に目がとまります。

投資初心者がステップアップを志していくとき、レバレッジ取引を行うべきかは悩ましい問題です。今回は「なんとなく投資」からのステップアップのテーマとしてレバレッジ取引とのつきあいかたを考えてみます。

収益3.3倍のチャンスだけではなく損失3.3倍のリスクも考えておくこと

信用取引は一定の投資経験と信用取引ルールの理解がなければスタートできないこととなっていますが、あなたがもし、保有資金の価格下落について忍耐力が十分に育っていないと思うなら、それは信用取引を行うステージに達していないと思います。

また、投資経験数年で自分には投資のセンスがある、と思い込んでいるのなら、これはオーバーコンフィデンス(自信過剰)の心理状況にはまっている可能性があり、これまた信用取引を行うステージに乗るべきではありません。それは、ここまでのあなたの運用成績が負け知らずであったとしてもです。

30万円の資金で100万円の購買力をもって投資できることを、「儲かるチャンスが3.3倍」と考える人は、裏目に出たときに「損する金額も3.3倍になる」ということを同じくらいの意味合いで考えるべきです。そして大抵の口座開設者は後者の可能性を過小評価しています。

また信用取引独特のルールとして、期日までの反対取引を必要とする、という条件がありますが、中長期の投資を行い、株価が回復するまでしがみつく、というようなアプローチも取れなくなります。

売りから入って下げ局面でも利益を狙えることを魅力と捉える人は、売りから入って株価が上昇したとき、損失は拡大し続ける危険性(強制ロスカットされて全損で終わらせてもらえるとしても)について、過小評価していると思います。

投資経験数年程度であれば、無理をして信用取引を行うよりは、積立投資をコツコツ行い5年以上の投資経験(特に短期的な下落市場と向き合う経験)を得たほうがいいと思います。

FXにおけるレバレッジは標準的だが……

FXで為替のトレードを行う場合、標準的に25倍のレバレッジコースが設定されており、本人の希望でレバレッジを下げられるようなケースが多いようです。楽天FX以外だと25倍コースのみを設定している業者もあります。

為替取引をやってみると、値動きの大きさに対して1倍の取引ではあまり利益が出しにくく、どうしてもレバレッジ25倍を選択したくなってきます。

1ドル100円の状況から101円まで円安に推移したと仮定し、ドルを買い、戻した場合を想定しますと、1倍取引ということは50万円でドルを買い、戻したときに残る利益は5,000円ですが、25倍のレバレッジをかけてあれば25倍多くドルを買ったことにできるため、利益は12万5,000円まで拡大します(期間中のスワップ等はここでは含まず)。

正直いって、1倍のFXは面白みに欠けます。かといって25倍レバレッジを当たり前にしてしまうと、為替ポジションの調整に常に気を配る必要がでてきます。決済注文を必ず入れておく方法でも対応できますが、狭い変動幅での損失確定を設定すれば、短期的な値動きでロスカットすることになり、広い変動幅での損失確定を設定すれば損失は大きなものになってしまいます。

普通の個人が投資とつきあうレベルとしては、相当に負担が重くなることに注意が必要です。仕事外の時間をそれなりに使い、家族との時間やプライベートのリラックスタイムが減ることになります。

レバレッジを高めたFXは徹底的に取り組む人にとってはおもしろい資産形成術ですが、「会社の往復に毎日手軽にこづかい稼ぎ」くらいに思っているのなら、やめておいたほうが無難です。

投資信託は原則レバレッジ不可だがブルベアの選択肢がある

投資信託やETFにおけるレバレッジはどうでしょうか。投資信託は運用方針としてレバレッジをかけることを宣言していない限り、レバレッジのない投資が行われることになります。

一部の投資信託についてブルベアファンド、一部のETFについてブルベアETFが設定されており、これはインデックスの2倍の値動きをすることになります。

もし、未経験者がレバレッジの経験をしてみたい、ということであればTOPIXないし日経平均の2倍の値動きをするブルベアファンド、ブルベアETFで「お試し」をしてみるのが手頃かもしれません。信用取引だけがレバレッジをかける選択肢ではないというわけです。

ただしこの場合、投資金額については控えめの投資でスタートしましょう。レバレッジをかけた投資をするときは、ついつい投資金額も高額の取引としてしまいがちです。投資経験が数年ほどあると、初心者である気分は忘れてしまいがちですが、まさに「初心に返る」で少額からチャレンジしてみてください。

まとめ:レバレッジなしでも十分に投資はできる

投資家としてステップアップすることの要件として、レバレッジをかけた投資を行うことをイメージする人は多いと思います。

投資経験として、レバレッジをかけてみることは悪いものではありません。また「ダメ、絶対ダメ」のような依存性があるものではありませんから、興味がある人が誘惑をガマンし続けるくらいなら、一度経験してみたほうがいいでしょう。むしろ経験を得ておくほうが、自分にとってのレバレッジとの距離感を養うことにつながります。

しかし、普通の個人の資産運用において、レバレッジは必須要件ではありません。数千万人の日本人が投資と向き合うような時代が来たとき、みんながみんな、レバレッジをかける投資を行う必要はありません。

むしろレバレッジをかけなくても行える投資方法の追求や、レバレッジをかけないことによる投資負担軽減の追求(仕事やプライベートに影響が出ないこと)をしてみるほうが、投資のステップアップには役立つのではないでしょうか。

本連載のねらいは「なんとなく」投資を行う注意点のアドバイスですが、「なんとなくレバレッジ」ほど怖いものはありません。チャレンジするならしっかりチャレンジしてください。

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