「投げ売り」が終わると株価は反発へ
ただし、信用買いの「投げ売り」がひと段落すると、株価下落により売らざるを得ない投資家がいなくなるため、その後株価は反発しやすくなります。
したがって、今の相場環境で筆者が望ましいと考える戦略は、信用買いの投げ売りが一巡するのを待ってから新規買いするということです。
信用買いの整理(=「投げ売り」)が進んでいるかを判断するために注目したいのが「信用買い残高」です。
信用買いの投げ売りが多く出れば、信用買い残高は大きく減少するはずです。そこで、株価の大幅下落に加え、信用買い残高が大幅に減っていれば、株価反発局面近し、ととらえます。
実は、5月16日前後にかけて個別銘柄で急落するものが増加したため、信用取引の整理が進んだものと期待したのですが、その後発表された信用買い残高をみると、ほとんど減少していませんでした。
案の定、5月16日以降も株価は反発せず、ダラダラと下げ続けてしまっています。ここまで株価下落が深くなると、信用取引の投げ売りが出尽くさないと、一時的な反発はともかく本格的な株価上昇は難しいと思っています。
自分自身が「投げ売り」しないようにするためには
個人投資家としては、自らが「投げ売り」せざるを得なくなる立場におかれないようにすることが重要です。
「投げ売り」が生じる状況は株価下落局面の終盤であり、個別銘柄の株価チャートを見ると下降トレンドに転換してからかなり時間が経過し、株価も大きく下落した後です。
このことから、個別銘柄の株価が下降トレンドに転じたらできるだけ早く手仕舞い売りや損切りを実行することが何よりも大事です。
どんなに好業績の銘柄であっても、どんなに株価が割安な銘柄であっても、信用買いでは絶対に株価下落による含み損拡大を我慢してはなりません。自分自身が我慢に耐えられなくなって投げ売りせざるを得なくなる状況になるまで株価下落は止まらないと考えてください。
いくら今後の株価上昇が見込まれる銘柄であっても、株価が下降トレンドに転じたら即座に売却すること、これが信用買いを行う場合の鉄則です。
信用取引は6カ月の短期勝負ですから、トレンドの判断は日足チャートで行うのがよいでしょう。損切りに自信のない方は、信用取引は避けるべきです。