世界分裂は「資源の武器利用」のきっかけ

 世界分裂・分断は、戦争や資源国の出し渋りの直接的なきっかけになり得ます。そして戦争や資源国の出し渋りは、コモディティ(国際商品)価格を上昇させるきっかけになります。以下の図は、これらの流れを示しています。

 世界で分断・分裂が目立つことで、「自国第一主義」が目立ちやすくなります。そうすると、自国の「食やエネルギーの安全保障」を訴える国が増えやすくなります。その結果、資源を武器として利用する国が増えやすくなります。

 こうした主要な生産国による「資源の武器利用」は、コモディティ(国際商品)の需給を引き締める大きな要因になっています。

 武器利用の原因である分断・分裂が、2010年以降の世界規模の大きな潮流の中で起きたことを考えると、早期に武器利用をやめさせることは困難だと言わざるを得ません。それはすなわち、各種コモディティ(国際商品)市場に、強い上昇圧力がかかり続けることを意味します。

図:分断・分裂がもたらすコモディティ(国際商品)マーケットへの影響

出所:筆者作成