FOMCはどうなる?市場でくすぶる追加利下げ期待と景気不安

 こうした流れを受けて迎えるFOMCですが、

(1)利下げ幅が0.25%か、それとも0.5%なのか
(2)仮に今回が0.25%の利下げだった場合、次回以降の利下げ姿勢はどうなのか
(3)その根拠となるFRB(米連邦準備制度理事会)の景気認識はどんな感じなのか

 の三つが注目点になると思われます。

(1)については、先ほどの米経済指標の結果を踏まえると、現時点では利下げ幅が0.25%になるという見方が優勢のようです。米国の景気に対する見方も、「意外としっかりしている派」と「思ったよりも悪化している派」で割れていることもあり、いったん0.25%の利下げを実施して様子を見るという姿勢が最適解かもしれません。

 ただし、FOMC初日の17日(火)には米8月の小売売上高が発表されます。下の図4は、その米小売売上高の金額と前年比の増減の推移を示していますが、ここ1年ぐらいは伸び悩んでいる状況が続いています。今のところ、目立った減速は見られませんが、今回の結果が予想以上に落ち込んでしまった場合には、0.5%への利下げ幅拡大観測が再び高まるかもしれません。

<図4>米小売売上高の推移

出所:FRED(米セントルイス連邦準備銀行の経済データベース)を基に筆者作成

 ちなみに、来週は19日(木)に物流大手のフェデックス(FDX)が決算を発表する予定です。下の図5はそのフェデックスの日足チャートですが、決算発表のタイミングで株価が大きく動く傾向があります。

 景気が悪くなると、「ヒト・モノ・カネ」の流れが滞るというリクツから注目される場面があるかもしれません。

<図5>米フェデックス(FDX)の日足チャート(2024年9月11日時点)

出所:MARKETSPEEDIIを基に筆者作成