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著者の荒地 潤が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「「ドル/円、来月は165円か。政府日銀の介入はいつ?」FXマーケットライブ」
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは161.00円
↓下値メドは160.30円
欧州軍拡:EUが共同軍事基金の検討開始。ロシアの脅威と次期米大統領をにらみ
ロシア:中国がロシアに衛星や電子機器を提供。ウクライナ戦争を支援
金価格:今後数年で4,000ドルまで上昇する可能性。リセッションやマイナス実質金利で
ECB:ラガルド総裁「インフレは下がり続けている。賃金上昇圧力は軽減した」
米利下げ:ボストン連銀総裁「今年利下げするが、利下げは予想より小幅になる」
前日の市況
6月27日(木曜)のドル/円相場は前日比0.10円の「円高」だった。
財務省は先月、介入の資金調達のために米国債を売却した。日本の保有額全体からすればわずかな金額だったが、世界最大の米国債保有国が売却したという事実を、金利市場は米金利上昇の要因と捉えた。日米金利差拡大は「円安」の最たる原因だから、政府日銀が介入額を増やせば増やすほど、逆に円安が進むイメージが強くなる。
2024年129営業日目は160.70円からスタート。東京時間夜遅くに160.28円まで下落してこの日の安値をつけ、明け方に高値160.82円をつけた。終値は160.77円。24時間のレンジ幅は0.54円。
この日は前日のレンジを超えることなく比較的狭い値幅の取引となった。半期末でもあり、今夜発表される米国の重要なインフレ指標でFRB(米連邦準備制度理事会)も注目する、5月個人消費支出(PCEコア・デフレーター)を待って積極的にポジションを傾け難いこともあった。
ドル/円に関していえば、下サイドは買い需要が強く底堅い一方で、上サイドも介入警戒感があるなかで38年ぶりの高値からさらに買い進めることに慎重になっている。とはいえ、マーケットが介入を恐れているのかというと、必ずしもそうではなく、むしろ日本の財務省の根性を試してやろうというチャレンジ精神が旺盛だ。いったん調整があるとしても、遅かれ早かれドル/円はさらに円安になると市場参加者の多くが期待しているようだ。
では、財務省はいつ介入するのか?介入するならば、その効果を最大にするために、流動性が低くなる市場の休日を狙うと考えられる。前回の介入は4月29日と5月1日だった。米国の独立記念日と英国の総選挙が重なる来週木曜日の7月4日は、介入には絶好のチャンスだといえる。
ドル/円 最新売買動向:利食いオーダーで下がりにくい
下のドーナツグラフは、楽天FX口座における個人投資家の最新の売買比率(売りと買いの数量の割合)を示している。外側のドーナツは「建玉(保有ポジション)」、内側のドーナツは「注文(オーダー)」の比率である。
6月28日午前7時50分時点のドル/円のオープン・ポジションは、売り持ち「62%」に対して、買い持ちは「38%」。先週末と比較すると、売り持ちが5ポイント増えている。
また、ドル/円の注文状況は、売りオーダー「33%」に対して、買いオーダーは「67%」で、「下がったら買う」という注文が7割近くを占める。買いオーダーが多いのは、売り持ちポジションの利食いが増えていると考えられる。
ユーロ/円 最新売買動向:利食いしたいけど下がらない
6月28日午前7時50分時点のユーロ/円のオープン・ポジションは、売り持ち「71%」に対して、買い持ちは「29%」で、ショートポジションに偏っている。先週末と比較すると、売り持ちはさらに9ポイント増えた。1999年のユーロ導入以来の高値を更新するなかでショートポジションが積み上がっている。
ユーロ/円の注文状況は、ドル円よりもあからさまで、売りオーダー「18%」に対して買いオーダーは「82%」と、圧倒的に買いサイドが大きい。