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今日の一言

勝利したときも自分を見失うな - ディエゴ・マラドーナ

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 米国のインフレ率は 2022年6月に9.1%まで上昇してピークをつけたあと、2023年6月には3.0%に落ち着いたが、その後は足踏み状態が続いていた。インフレ率がこのまま下がらなければ、FRBの今年の利下げ見送りもありえると懸念されるなかで、4月のCPI(消費者物価指数)は、前年比3.4%上昇と、伸びは3カ月ぶりに前月から鈍化した。前月比では0.3%上昇で、予想の0.4%上昇を下回った。エネルギーと食品を除くコア指数の上昇率は、前年同月比3.6%で、3月の3.8%から減速した。前月比では0.3%上昇し、6カ月ぶりに鈍化した。

 昨年末から続いてきた、予想よりも強い結果になる「アップサイド・サプライズ」のパターンがついに崩れた。インフレ終息までの道のりはまだ長いとしても、少なくとも「正しい方向」へ向かって進みはじめたことは、FRBにとって良いニュースだ。

 一方で、悪いニュースは、CPIの構成要素であるOER(所有者居住相当家賃)の4月は前月比0.35%増で減速ペースとしては2021年以降で最も遅かったことだ。OERは住宅コストを反映する重要な指標で、CPIにおける住居費の大部分を占める。パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長をはじめとするFOMC(米連邦公開市場委員会)メンバーは、最近のインフレ傾向に失望を表明しているが、OER低下に進展が見られないことが大きな理由であった可能性が高い。

 また、同日発表された4月の小売売上高は、前月比横ばい(0.0%)で市場予想の0.4%増を下回った。主要な小売・外食企業の業績も鈍化が目立ち始め、米経済を支えてきた消費者需要が軟化しつつあることを示唆している。物価と金利の高止まりが家計を圧迫し、裁量的な支出が抑制されているようだ。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成