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 BLS(米労働省労働統計局)が5月3日に発表した雇用統計では、NFP(非農業部門雇用者)は、17.5万人増加したが、これは事前予想の25万人増を下回る結果だった。政府部門とレジャー部門で雇用が急減したことが影響した。また前月分は30.3万人から31.3万人へ上昇修正された。

 失業率は3.9%で前月より0.1ポイント上昇した。ただ、米国の失業率は過去50年間で最も低い水準であり、働きたい人がほぼ全員仕事に就くことができる「完全雇用」の状態にあることに変わりはない。平均時給は、前月比で0.3%増加。前年同月比では3.9%の上昇で、ここ数年で最低のペースとなった。

 19歳以上の米国人口のうち、働く意欲がある人の割合を示す労働参加率は62.7%で横ばい。25から54歳の年齢層では83.5%に小幅上昇し、約20年ぶり高水準に並んだ。0.1%の労働参加率の上昇は、労働力供給が約40.0万人増えることを意味する。労働力の供給不足問題が解消に向かうことで、賃金上昇率が緩やかになりディスインフレ(物価上昇率低下)が進む期待がある。

 米国の利下げは、2024年が始まった時点では「年6回」が予想の中心だったのが、どんどん後退して、5月FOMC(米連邦公開市場委員会)の時点では「12月に1回」、あるいは「今年ゼロ」まで後退していた。しかし、今回の雇用統計を受けて利下げ2回の予想が再び増え始めている。

 FOMCは6月と7月の会合では、利上げも利下げも見送る可能性が高いので、利下げが実施されるとすれば、最も早くて9月の会合ということになる。今回から9月FOMCまでの間に、雇用統計は4回、CPI(消費者物価指数)はあと5回もあるので、今後のインフレデータで次第で予想は変わる可能性は充分ある。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成