日本株は上値の重い展開か

 円安の進行とともに買われてきた日本株ですが、足元、円安が進んでも日経平均株価(225種)が上昇しなくなっています。円安がやや行き過ぎていると思われ始めているためと考えられます。

日経平均とドル円為替レートの動き:2021年末~2024年4月29日(日経平均は26日まで)

出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 円安が進むと、日本株を大量に買ってきた外国人投資家が足元、日本株を売り越しに転じており、円安・株高の相関が崩れる要因となっています。

日経平均と外国人投資家の日本株売買動向(買い越し・売り越し額):2022年1月4日~2024年4月26日(外国人売買は4月19日まで)

出所:東証「主体別売買動向」・QUICKより楽天証券経済研究所が作成、外国人売買は、株式現物と株価指数先物の合計

 日本株は当面、上値の重い展開と考えられます。政府・日銀による為替介入などで円高が進む局面では、日経平均が売られる可能性があります。ただし、日本の景気・企業業績は良好で、さらなる下値リスクは大きくはないと考えています。

 時間分散しながら、割安な日本株を買い増ししていくことが、長期的な資産形成に寄与すると考えています。

 これから本格化する3月決算発表は良好と判断しています。ただし、新年度(2025年3月期)の業績予想を、日本企業は控えめ(低め)に出す傾向があることに、注意が必要です。

東証プライム3月期決算主要841社の連結純利益(前期比%):2020年3月期~2025年3月期(予想)

出所:予想は楽天証券経済研究所

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