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著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「ドル円ジェットコースター、160円から155円台!どうなる日経平均?」
ドル円為替レートが大荒れ
日本が休日の4月29日(月・祝)にドル円為替レートが大荒れとなりました。ドルは29日に入ってから対円で上昇、日本時間午前10時35分に1ドル=160円台を付けました。34年ぶりの円安水準です。
ところが、その直後からドルが急落、一気に5円超、円高が進み、一時1ドル=154円台となりました。日本政府・日本銀行が円買いドル売りの為替介入を実行した可能性がありますが、29日午後5時時点で正式な発表はなく、真偽は分かりません。
ドル円為替レート5分ごとの推移:4月23日7時~29日17時(日本時間)
【1】26日、日銀金融政策決定会合の結果発表後から円安進む
4月26日(金)の昼、日銀の金融政策決定会合の結果が発表されました。事前の予想通り、利上げはなく現状維持でした。事前の市場予想通りでしたが、そこから1ドル=158円台へ円安が加速しました。
円安進行を抑えるために、日銀から先行きの利上げについて何らかのメッセージが出ると思われていましたが、日銀からタカ派的発言は出ませんでした。日銀の植田和男総裁が26日の記者会見で円安が「基調的な物価上昇率に大きな影響は与えていない」と発言したことから、「日銀はハト派」と解釈され、さらに円安が進みました。
【2】29日に一時160円台まで円安進む
29日に入り、日本が祝日で、ドル円の取引が少ない中、投機筋から仕掛け的なドル買いが入ったと考えられます。一時1ドル=160円台までドル高(円安)が進みましたが、その直後から急激に円高に反転しました。
日米金利差拡大とともに、ドル高(円安)が進んできましたが、そろそろ金利差拡大が終わるとともに、円安も終わると考えられています。
ところが、米国の中央銀行に当たるFRB(連邦準備制度理事会)はいつまでもタカ派トーンで利下げが見込みにくい一方、日銀はいつまでもハト派トーンで、利上げが見込みにくい状況のため、さらなる円安を試す動きも出ており、ドル円は波乱の展開となっています。
ドル円為替レートと、日米2年金利差:2008年1月~2024年4月(29日)
日本株は上値の重い展開か
円安の進行とともに買われてきた日本株ですが、足元、円安が進んでも日経平均株価(225種)が上昇しなくなっています。円安がやや行き過ぎていると思われ始めているためと考えられます。
日経平均とドル円為替レートの動き:2021年末~2024年4月29日(日経平均は26日まで)
円安が進むと、日本株を大量に買ってきた外国人投資家が足元、日本株を売り越しに転じており、円安・株高の相関が崩れる要因となっています。
日経平均と外国人投資家の日本株売買動向(買い越し・売り越し額):2022年1月4日~2024年4月26日(外国人売買は4月19日まで)
日本株は当面、上値の重い展開と考えられます。政府・日銀による為替介入などで円高が進む局面では、日経平均が売られる可能性があります。ただし、日本の景気・企業業績は良好で、さらなる下値リスクは大きくはないと考えています。
時間分散しながら、割安な日本株を買い増ししていくことが、長期的な資産形成に寄与すると考えています。
これから本格化する3月決算発表は良好と判断しています。ただし、新年度(2025年3月期)の業績予想を、日本企業は控えめ(低め)に出す傾向があることに、注意が必要です。
東証プライム3月期決算主要841社の連結純利益(前期比%):2020年3月期~2025年3月期(予想)
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