今日の為替ウォーキング
今日の一言
指図したり注意したりすることで人々を導こうとしてはならない。自ら実践してみせることだ
Eat The Rich
FRB(米連邦準備制度理事会)による大幅な利下げを前提とした2024年の「ドル安シナリオ」は、全面的な見直しが迫られている。もちろん、FRBが今年利下げする可能性がゼロになったわけではない。しかし問題は、FRBがどれだけ積極的かということだ。FRBはインフレと同じくらいに米国の経済成長にも配慮している。FRBは「物価の安定」だけではなく「雇用の最大化」に対する責務(デュアルマンデート)を担っているからだ。
米経済のソフトランディングに必要なのは低金利ではなく、安定した金利だ。FRBが成長とインフレのバランスを取りながら、ソフトランディング(景気減速)に誘導しようとするならば、景気刺激的な大幅利下げは必要ない。FRBがインフレ率の目標を2%ではなく3%程度まで許容するならば、長期間にわたる高金利政策を続ける必要もない。
欧州では、ECB(欧州中央銀行)がインフレ抑制をあまりに優先した結果、ドイツの製造業は苦境に陥り、深刻な製造業不況が起きる可能性が高まっている。そうなれば、 ECBは大幅な利下げに追い込まれることになるだろう。しかし、FRBが利下げを延期するなかでECBが大幅利下げをすることも難しくなっている。