facebook twitter
50歳超でのiDeCoスタートはちょっとだけ気をつけたい その考え方と活用法
山崎 俊輔
なんとなくから卒業!実践・資産形成術
誰にとっても重要で大切な「年金」と「老後資金準備」について、「漠然とした不安」から卒業しよう! これからの人生のマネープランを、主体的にかつ前向きに組み立てるためのヒントを、ファ…

50歳超でのiDeCoスタートはちょっとだけ気をつけたい その考え方と活用法

2017/7/4
50代の人は老後の資産形成への意識が高まってくる世代ですから、iDeCoの活用を検討している人も多いかもしれません。しかし「50歳」を超えている人の新規加入は注意点がひとつあります。
facebook twitter メールで送る 印刷

iDeCoは明らかに有利だが、50歳以上なら少しだけ注意が必要だ

iDeCoこと個人型確定拠出年金が税制上おトクであることは明らかです。自分の老後のために、自分のものとして財産権も明確になっている口座に積立をすれば、所得税や住民税が軽減されるわけですから、老後資産形成の意識がある人ほど利用を真剣に考えます。

50代の人は老後の資産形成への意識が高まってくる世代ですから、iDeCoの活用を検討している人も多いかもしれません。しかし「50歳」を超えている人の新規加入は注意点がひとつあります。

それは「60歳から受け取れないかもしれない」ということです。

「iDeCoは60歳まで受け取れない」という規制は認知されつつあると思いますが、実はiDeCoには「10年問題」があって、利用期間が10年以上ないと、60歳から受け取れないという制限がさらにあるからです。

この「10年問題」と、これを踏まえた50代のiDeCo活用のヒントについて今回は紹介してみたいと思います。

iDeCoには「通算加入者等期間」という余計な規制がある

確定拠出年金の法律上、「通算加入者等期間」というルールがあります。これは

  • 企業型の確定拠出年金の掛金を積み立てた期間(加入者期間)
  • iDeCoの掛金を積み立てた期間(加入者期間)
  • iDeCoの掛金は積み立てていないが運用のみを行っていた期間(運用指図者期間)

の合計で、この通算加入者等期間が「10年」以上ないと60歳から受け取ることができないというものです。

今まで企業型の確定拠出年金に加入していて今はiDeCo、という人は心配する必要はありません。過去に確定拠出年金に加入していた期間、iDeCoに移して口座管理をしていた期間はすべて参入されますので、10年問題はクリアできるはずです。

しかし、合計で10年の期間に足りない場合、その期間に応じて受取開始可能な年齢が引き上げられます。具体的には下表のようになります。

8年以上10年未満 61歳から受取可
6年以上8年未満 62歳から受取可
4年以上6年未満 63歳から受取可
2年以上4年未満 64歳から受取可
1月以上2年未満 65歳から受取可

つまり、58歳を過ぎてからiDeCoに積み立てた場合、その2年弱の積立金は60歳から65歳まで受け取れないということです(運用指図はもちろんしてよい)。

この規制、あまりに短い積立期間で受け取る人に対し税制優遇を講じることは好ましくないという考えによるものです。財形年金も5年以上の積立期間が必要ですが、これに似ています。

しかし、60歳まで中途解約できないし、60歳以降は積み立てたくても追加入金できないiDeCoにおいて、ほとんど意味をなさない規制であることも事実です。実際、規制緩和の議論も何度か行われています。どこかのタイミングで法律改正が講じられるのはほぼ確実ですが、今のところは存在する規制ですから、注意が必要でしょう。

50代からのiDeCo利用はメリットデメリットをしっかり天秤にかけて利用を

仮にiDeCoに月2.3万円(年27.6万円)を積み立てたとします。所得が高い50歳代の税率は高いので、実質30%になることもあるでしょうが、この場合、掛金の8万2800円相当が毎年の税負担軽減分にあたります。4~5年くらい積立をしたとすれば、63歳まで受け取りを先送りさせられたとしても、税金を40万円払わずにすんだと思えば十分損得は合うと思います。

ただし、60歳以降も口座管理手数料はかかりますので、その分も意識する必要はあります(運用のみなので、国民年金基金連合会の月103円は引かれないので掛金を積み立てていた時期よりは割安になる)。また、「100万円くらいの残高を3年間受け取れないのはいやだ」というタイプの人にとってはあまり魅力と感じられないかもしれません。

そこで、ひとつの目安として、「5年積み立てて100万円積み上がるか」を判断軸としてはどうでしょうか。つまり、

「月1.2万円の掛金が拠出できる立場である場合、5年積み立てた場合で残高72万円と100万円に達しないため、50代半ばを過ぎたiDeCo加入は無理に選択しなくてもいい。入るなら50歳代の前半からスタートさせたい」

「月2.3万円の掛金が拠出できる立場である場合、5年積み立てた場合で残高138万円と100万円を超えるため、まとまった額を税制優遇も活かして最後に貯める手段として考えてもいい。ただし57歳や58歳から最後の数年だけ加入しなくてもいい」

という感じです。自営業者等の「月6.8万円(年81.6万円)積み立てられる場合でしたら、節税効果も大きいので、数年でもいいので満額加入し、最後の何年かで老後の貯金を上積みしておく、という選択肢もあるでしょう。

50歳以降に企業型の確定拠出年金加入者対象になった場合は大丈夫なケースが多い

ところで、「会社が企業型の確定拠出年金をスタートしたんだけれど、私も60歳から受け取れないのか?」と気になる人もいるでしょう。

通算加入者等期間のルールは企業型の確定拠出年金でも同様に適用されます。つまり10年以上の期間が必要です。しかし、企業型の確定拠出年金の場合は、この問題は回避できることがほとんどです。

まず、「何か別制度から資産の引き継ぎが行われた場合」です。確定給付型の企業年金があって、そこから資産を引き継ぎ企業型の確定拠出年金がスタートしている場合、「加入者期間」も旧制度の期間を引き継ぐことができます。

22歳から52歳まで確定給付型の旧制度に加入、52歳から60歳まで企業型の確定拠出年金に加入した場合は、「旧制度30年加入」「確定拠出年金8年加入」を合計して「38年加入」とみなしますので、ここでいう10年問題は気にしなくていいわけです(この通算は退職所得控除の計算でも適用されます)。

また、旧制度を持たない場合であっても、「50歳以上の人は確定拠出年金の対象外とし、今までの退職金制度の計算ルールを適用する経過措置を設ける」ということが多いので、これまた10年問題からは解放されます(自己責任による資産運用を行うノルマからも解放されます)。

ただし、制度設計の詳細は各社によります。自分の会社の確定拠出年金の条件をよく確認してください。

【この記事に対するアンケート回答はこちらから】

トウシルのオススメ記事

▲トウシルトップページへ

 

1周年特集
投資の失敗
桐谷広人
このレポートについてご意見・ご感想をお聞かせください50歳超でのiDeCoスタートはちょっとだけ気をつけたい その考え方と活用法

本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。

記事についてのアンケート回答確認

50歳超でのiDeCoスタートはちょっとだけ気をつけたい その考え方と活用法

今回のレポートはいかがでしたか?
コメント
1周年特集
 
ハゲタカ
 
世界のリスクを総点検
投資の失敗
 
はじめての下落相場と損
 
株主優待・桐谷広人
美白YouTuberが紹介!無理なくカンタンな貯蓄術のススメ
 
老後破綻
 
動画でわかる
メールマガジン

直近1日の記事を配信します

配信:平日毎営業日配信
祝日・GW・夏季/冬季休暇 を除く

公式SNS

タイムリーな情報を
ゲットできます

配信:記事配信時 随時
facebookおよびTwitterには一部配信しない記事もあります

TOP
×
トウシル メールマガジン および SNSについて
メールマガジン 申込み

トウシルメールマガジンではレポートやコンテンツ等、直近1日の記事をお知らせします。
本メールは配信希望のお客様に平日毎日お届けしております。
リアルタイムでの情報取得は、公式SNS(facebook、twitter)もあわせてご利用ください。

  • 「メールマガジン 選択/受付」画面から購読を選択できます。
  • 楽天証券のメルマガをすでに配信希望にされている方は、
    初期設定としては購読申し込みとなっている場合があります。
  • メールマガジン購読申し込みには、楽天証券会員登録(口座開設)が必要となります。
Gmailサービスをご利用の方へ
メールマガジンを受信時正しく表示されないことがございます。あらかじめご了承ください。
メールマガジン サンプル
メールマガジンサンプル
  • 「メールマガジン 選択/受付」画面から購読を選択できます。
  • 楽天証券のメルマガをすでに配信希望にされている方は、
    初期設定としては購読申し込みとなっている場合があります。
  • メールマガジン購読申し込みには、楽天証券会員登録(口座開設)が必要となります。
Gmailサービスをご利用の方へ
メールマガジンを受信時正しく表示されないことがございます。あらかじめご了承ください。