銘柄レポート:ディスコ

1.2024年3月期4Qの個別出荷額は前年比35.1%増、個別売上高は同29.9%増

 2024年4月4日付けで、ディスコは2024年3月期4Q(2024年1-3月期、以下前4Q)の個別売上高、個別出荷額の速報値(単独決算の売上高、出荷額の速報値)を開示しました。それによれば、2024年3月期4Qの個別売上高は865億円(前年比29.9%増)、個別出荷額は785億円(同35.2%増)となりました。前3Q比でも個別売上高、個別出荷額ともに好調でした。

 会社側によれば、出荷額は、パワー半導体向けが堅調で、生成AI向けが拡大したことが寄与しました。消耗品出荷額もパワー半導体向け中心に高水準でした。

 個別売上高については、前4Qの検収が想定よりも進捗したことが寄与しました。

表9 ディスコ:個別(単独)売上高と出荷額

単位:億円(端数切捨て)、%
出所:会社資料より楽天証券作成

グラフ7 ディスコ:個別(単独)売上高と出荷額

単位:億円、出所:会社資料より楽天証券作成

2.楽天証券の2024年3月期連結業績予想を上方修正する

 個別売上高、個別出荷額の開示を受け、楽天証券では2024年3月期4Qと2024年3月期通期の連結業績予想を上方修正します。過去の個別売上高と連結売上高の差額と乖離率、前四半期からの個別売上高変化率を考慮し、増収に伴う営業増益を考慮しました。

 この見方から、楽天証券では前4Q連結業績を、売上高990億円(前年比25.3%増)、営業利益400億円(同27.9%増)と予想します。前回予想の売上高867億円、営業利益346億円から上方修正します。ちなみに、会社予想は売上高845億円、営業利益332億円です。

 また、2024年3月期通期楽天証券予想は、売上高3,023億円(同6.4%増)、営業利益1,154億円(同4.5%増)と予想します。前回予想の売上高2,900億円、営業利益1,100億円から上方修正します(会社予想は売上高2,878億円、営業利益1,086億円)。

 なお、今回は2025年3月期楽天証券業績予想は変更しません。ただし、個別出荷額の勢いを見ると、2025年3月期も業績は好調に推移すると思われます。

 今後6~12カ月間の目標株価は前回の7万1,000円を維持します。引き続き中長期で投資妙味を感じます。

表10 ディスコの業績

株価 56,750円(2024/4/4)
発行済み株数 108,342千株
時価総額 6,148,409百万円(2024/4/4)
単位:百万円、円
出所:会社資料より楽天証券作成
注1:当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。
注2:発行済み株数は自己株式を除いたもの。
注3:2023年4月1日付けで1対3の株式分割を実施。これに対応して過去の配当額を遡及修正している。

本レポートに掲載した銘柄マイクロン・テクノロジー(MU、NASDAQ)エヌビディア(NVDA、NASDAQ)ディスコ(6146、東証プライム)