株価が史上最高値なのにFRBは利下げなんてするの?
昨日はダウ工業株30種平均が477ドル高と今年最大の上げ幅となり4万ドルに接近した。日本経済新聞の報道によると、「FRB(米連邦準備制度理事会)が年央にも利下げに転換し、米景気の底堅い成長が続くとの見方が買い安心感となっているとの声があった」という。
●NYダウCFD(日足)

出所:楽天MT4・石原順インディケーター
だが、冷静に考えると上記の利下げの指摘はおかしいのではないだろうか?
- S&P500種指数、NYダウ、ナスダック総合指数:史上最高値
- 住宅価格:史上最高値
- ビットコイン:史上最高値
- ゴールド:市場最高値
市場はまさにエブリシングバブル(なんでもバブル)の状況にある。
S&P500CFD(日足)

出所:楽天MT4・石原順インディケーター
ナスダック100CFD(日足)

出所:楽天MT4・石原順インディケーター
ゴールドCFD(日足)

出所:楽天MT4・石原順インディケーター
なぜ、エブリシングバブルが起きているのか? それは、2020年以降のインフレ調整後の米国政府支出は、以下の支出の合計を超えているからだ。
- 第一次世界大戦
- 第二次世界大戦
- 1970年から1990年
資産と負債の両方を膨らませる両建て経済(ポンジスキーム)が現在進行中である。
インフレ調整後の米国政府支出

米政府は1兆2,000億ドルの歳出法案を可決した。2024年になってまだ3カ月もたっていないのに、米国の負債総額はすでに6,000億ドルも増えている。米国の負債総額は34兆6,000億ドルに達し、6月には35兆ドルに達する勢いだ。これで、不況になったら、いったいいくらのカネがばらまかれるのだろうか?
内容は悪いものの失業率は3.9%と低く、インフレ率(CPI(消費者物価指数))は35カ月連続で3%以上となっている。FOMCのドットプロットによると、FRBは今年0.25%の利下げを3回予定しており、最初の利下げは6月に行われる予想となっている。
株価が史上最高値更新している中での利下げというのは、実施されれば前代未聞の事態である。米大統領選挙をにらんだ株価操作と受け取られて、FRBは市場の信認を失いかねない。